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遺産分割協議をやり直したい! やり直しができるケースや注意点を解説

2020年11月10日
  • 遺産を受け取る方
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遺産分割協議をやり直したい! やり直しができるケースや注意点を解説

相続人として遺産分割の話し合いを終わらせ、遺産分割協議書なども作成したものの、どうしても相続分に納得がいかず「やり直したい」と考える人も少なくありません。

実は札幌高等裁判所では、昭和62年と古い判例にはなりますが、遺産分割協議のやり直しを認める判例が出されています。

遺産分割協議のやり直しはできるのでしょうか?また、やり直す場合には、どのような条件があるのでしょうか?

必要な手続きや注意点のほか、「遺産分割」や「遺産分割協議」とはどういったものなのかなど詳しくみていきましょう。

1、そもそも「遺産分割」とは?

日常生活では頻繁に使われることのない「遺産分割」という言葉は、財産を相続することを想像したとき、また、相続する立場となったときに初めて耳にするという人も少なくないようです。

わかりやすく簡単に言うと、この「遺産分割」は、読んで字のごとく、「相続人で話し合って遺産を分けること」を言います。

被相続人の遺言がある場合には、遺言の内容に沿って相続することになるため、遺産分割はおこなわれません。

ただし、遺言がある場合でも、相続人全員が「その遺言に反対する」と決めた場合などは、遺産分割をおこなうことがあります。

また、相続人がひとりの時には遺産を分けることがないため、遺産分割はありません。

2、遺産分割協議の手順

遺産分割協議は、相続人を全員見つけ出し、すべての相続財産を洗い出すところから始まります。それが終わったら、相続人が全員で遺産の分け方を話し合い、「遺産分割協議書」を作成します。

この協議書は、相続人全員で、遺産をどのように分けるかを話し合い(遺産分割協議)、すべての相続人が合意した内容を書面にしたものです。
「不動産の相続登記」をおこなう場合や「預貯金・株式・自動車など」の名義変更手続きをおこなう場合に必要です。

遺産分割協議がまとまらなかった場合には、裁判所に対して遺産分割調停を申し立て、裁判所を交えて、話し合いを続けます。調停でもまとまらない場合には、審判や裁判を行うことになります。

3、遺産分割のやり直しが可能な場合とは

遺産分割協議が完了した場合、原則、遺産分割のやり直しはできません。しかし、下記のようなケースでは、再び遺産分割をすることができます。

ただし、最初の遺産分割が「遺産分割協議」で終わっていることが条件です。遺産分割調停や審判した場合には、やり直しはできませんので、注意が必要です。

  1. (1)すべての相続人が「遺産分割のやり直し」に合意した

    遺産分割協議書を作成後、相続人全員が遺産分割のやり直しで意見が一致した場合には、遺産分割のやり直しができます。

    ただし、完了した遺産分割について、再度全ての相続人がやり直しに合意する可能性は非常に低いでしょう。

  2. (2)制限行為能力者がひとりで遺産分割協議に参加した

    制限行為能力者とは、未成年者や成年被後見人など、ひとりで法的に有効な意思表示することを制限されている人のことです。

    制限行為能力者がひとりで遺産分割行儀に参加した場合、その意思表示は保護者や後見人が取り消しうると民法では定められています(民法120条)。そのため、制限行為能力者がひとりで協議に参加した場合には、あとでその協議は取り消される可能性があります。

  3. (3)遺産分割協議書にない資産が見つかった

    遺産分割協議書に載っていない遺産が見つかり、その遺産が遺産全体の割合を大きく占めている場合には、完了済みの遺産分割協議の無効を主張することが可能です。

    また、相続人のうちの誰かが遺産を隠し持っていたという場合にも、遺産分割協議の無効を主張することができます。

    しかし、通常は遺産分割の協議が完了したあとに新しい遺産が見つかった場合には、新しく見つかった遺産に関してのみ、遺産分割をやり直すこととなります。

    なお、最初に遺産分割協議をおこなったとき、遺産分割協議書に、
    「遺産分割協議書に記載されていない遺産があった、もしくは新たに見つかった場合には、相続人である○○が相続することとする」
    と記載してあるケースも少なくありません。まずは、遺産分割協議書の内容を確認してみましょう。

  4. (4)遺産分割協議で詐欺や脅迫があった

    詐欺や脅迫などにより、意思表示に問題があると認められた場合には、遺産分割協議自体が無効または取り消しができる状態となります。

    このような事情の場合には、遺産分割協議自体が完了していなかったものとなり、相続税など税務上のやり直しも可能です。

4、遺産分割をやり直す手順と注意点

遺産分割をやり直すこと場合、特別に法的な手続きが必要、というわけではありません。

相続人全員が「遺産分割のやり直し」に合意し、あらためて遺産分割協議書を作り直すことになります。このとき、遺産分割のやり直しに合意したことを記録しておくなど、もめ事にならないようにすることが重要です。

また、やり直しにあたっては税務上で注意しておくべきこともありますので、下記の項目で詳しくみていきましょう。

●税務上の注意点
最初に遺産分割がなされるとその時点で「相続税」を支払うため、遺産分割協議をやり直したときには、相続ではなく、贈与や譲渡にて取得したと判断され「贈与税」や「所得税」がかかってくる可能性があります。

また、新たに取得した不動産について、名義変更をおこなうときには不動産取得税が課税され、名義変更の登記をおこなうときには登録免許税がかかってきます。

このように税金をより多く支払わなければならない可能性もあるため、遺産分割をやり直す場合には、弁護士や税理士のサポートを受けながら手続きを進めることが大切です。

5、まとめ

本記事でも紹介したように、遺産分割は一定の条件のもと、やり直すことは可能です。
ただし、やり直しには、法律上・税務上の注意点があるのも、また事実です。

札幌市で遺産分割のやり直しを希望されている方は、遺産分割について豊富な経験と知識のあるベリーベスト法律事務所 札幌オフィスに、ぜひご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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