5ちゃんねるの書き込みを削除依頼する方法は?メールでできる?札幌の弁護士が解説
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ある日、友人から、自分に対する誹謗中傷が5ちゃんねるに書き込まれていると教えてもらいました。家に帰って急いで5ちゃんねるを見てみると、「あいつは結婚詐欺師」「ものすごくブスだった」などの書き込みが……!
悪質な場合には、個人が特定できてしまう情報も含まれているケースもあります。
家族や会社の同僚、知人にまで書き込みを見られてしまうのではないかと考えると、不安になるでしょう。
そこで、この記事では、5ちゃんねるの書き込みを削除依頼する方法や、2ちゃんねる(2ch.sc)の投稿(スレッド・レス)を削除する方法などについて解説したいと思います。
1、5ちゃんねるとは
「5ちゃんねる」という言葉自体聞き慣れない方もいるでしょう。悪質な書き込みを削除依頼する前提として、「5ちゃんねる」がどういうものか、「2ちゃんねる」との関係も踏まえながら簡単に説明したいと思います。
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(1)2ちゃんねる(2ch.net)の発展
「2ちゃんねる(2ch.net)」は、1999年5月、西村博之氏によって開設された個人サイトです。その後、ユーザー同士が匿名でやり取りできる掲示板サイトになりました。
専門的な情報や業界の裏事情を知ることができることから、インターネットの普及にともなって数多くのユーザーを獲得してきました。
もっとも、犯罪予告やプライバシー権の侵害、誹謗中傷などの問題も起きており、社会問題になっていました。また、売春や違法薬物の取引など犯罪の温床となっていることも指摘されてきました。
そうしたなかで、2014年、開設者の西村博之氏とジム・ワトキンス氏の間で2ちゃんねる(2ch.net)の管理権限をめぐって争いが起こります。その結果、開設者の西村博之氏が2ちゃんねる(2ch.sc)を新たに開設しました。
こういった経緯から、2ちゃんねる(2ch.net)と2ちゃんねる(2ch.sc)が存在するという状況が生まれました。 -
(2)5ちゃんねるの誕生
管理権限をめぐる争いはしばらく続きました。事態を収拾するため、2017年10月1日、ジム氏側が2ちゃんねる(2ch.net)の名称を「5ちゃんねる」に変更しました。
こうして、5ちゃんねるが誕生しました。現在は5ちゃんねると2ちゃんねる(2ch.net)とが存在しているということになります。
掲示板の書き込みによる誹謗中傷があった場合、それぞれ管理人が異なることから、削除依頼先や削除依頼の方法が変わってきますので、気をつける必要があります。
2、5ちゃんねるの悪質な書き込みを削除依頼する4つの方法
5ちゃんねるに悪質な書き込みがされた場合、被害者がアクションを起こし、その書き込みを削除依頼する方法はあるのでしょうか。
5ちゃんねるの基本原則によれば、「表現の自由は最大限保障されるべきものである」とあります。もっとも、「表現の自由も絶対無制限のものではない」としており、「他人の権利を侵害するもの」については削除を行うものと定めています。
そこで、ここでは5ちゃんねるの悪質な書き込みを削除依頼する4つの方法を紹介したいと思います。
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(1)メール
5ちゃんねるの悪質な書き込みを削除依頼する方法として、「削除人」にメールで削除を依頼するというものがあります。
「削除人」とは、掲示板の書込みを削除や移動などを行う者のことです。削除人は運営会社の社員というわけではなく、ボランティアの一般の方がメンバーとなっています。
削除人に削除依頼するには、meiyokison@5ch.netにメールを送信することになります。メールには以下のような内容を記載する必要があります。(2018年11月現在の情報)
まず、①件名は「削除申し立て」とします。本文には、②スレッドのURLと③レス番号、④削除理由を記載することになります。また、⑤理由を根拠づける資料がある場合にはそれを添付します。
メールによる削除申請には、⑥本人確認のための資料も添付する必要があります。これは身分証明証のことであり、免許証やパスポートの画像を添付するということです。
このようなメールを送信すれば、削除人が削除の理由や資料を踏まえたうえで、その書き込みを削除するかどうか判断することになります。
記載漏れがないようにするのは当然のことですが、重要なのは削除の理由です。誰の、どんな権利が、どのように侵害されているのか具体的にわかりやすく書くようにしましょう。
なお、削除人がその書き込みを削除した場合であっても、7日間は異議申し立てをすることができ、異議申し立ての理由や資料をふまえて削除人がその書き込みを再掲載するということもあります。
以上のことは5ちゃんねるの公式サイトに詳しく掲載されているので、そちらも目を通しておくといいでしょう。 -
(2)削除要請フォーム
5ちゃんねるの悪質な書き込みを削除依頼する方法として、削除要請フォームから書き込みの削除を依頼するというものがあります。
具体的には、削除要請フォームに名前やメールアドレス、削除対象アドレス、削除理由などを記載して、削除依頼の申請するという流れになります。
ここでも、記載漏れがないようにするのは当然のことですが、重要なのは削除理由です。誰の、どんな権利が、どのように侵害されているのか具体的にわかりやすく書くようにしましょう。
なお、削除要請フォームから削除依頼すると、5ちゃんねるにその依頼を内容とするスレッドが立つことになります。これにより、氏名やメールアドレスなどが他のユーザーに知られてしまうことになるため、注意する必要があります。 -
(3)5ちゃんねるが認めた弁護士からの請求
5ちゃんねるの悪質な書き込みを削除依頼する方法として、5ちゃんねるが認めた弁護士から書き込み削除の請求をするというものがあります。
5ちゃんねるの削除体制には、「5ちゃんねるが、過去に受けた請求から、表現の自由を配慮したリーガルマインドを持った弁護士と認めた者からの請求については、正当な理由があるものについて、原則として対応するものとする」と定められています。
つまり、5ちゃんねるが認めた弁護士が請求すれば、「正当な理由」がある場合、悪質な書き込みは削除されるということです。
しかし、5ちゃんねるに認められるための条件や、実際に認められた弁護士が誰なのかは明記されていません。
そのため、なるべくネットの削除依頼について対応経験のある弁護士に依頼すると良いでしょう。 -
(4)裁判所の仮処分の申立て
5ちゃんねるの悪質な書き込みを削除依頼する方法として、裁判所に削除命令の仮処分の申し立てをするというものがあります。
5ちゃんねるの削除体制には、裁判所の仮処分決定に関して、「Loki Technology Inc.を名宛人とする裁判所の決定については、原則として従う」と定められています。
裁判所の仮処分決定を得るためには、裁判所に対して書き込み削除の仮処分を申し立てることになります。
仮処分の申し立てをするためには、特別な資格は必要ではなく、一般の方でも申し立てをすることができます。
もっとも、専門的な知識や判断が必要になることから、自分自身で仮処分の申し立てをするのはハードルが高いというのが実情です。
3、2ch.scの投稿(スレッド・レス)を削除する方法は?
先ほど説明したように、5ちゃんねると(2ch.sc)は別のものであることから、5ちゃんねるに削除依頼をしたとしても、2ちゃんねる(2ch.sc)の投稿(スレッド・レス)を削除することはできません。
そこで、ここでは5ちゃんねるではなく、2ちゃんねる(2ch.sc)の投稿(スレッド・レス)を削除する方法について説明したいと思います。
まず、2ちゃんねる(2ch.sc)はメールによる削除依頼を受け付けていません。
そうすると、2ちゃんねる(2ch.sc)の悪質な書き込みを削除するためには、削除要請フォームを利用して書き込みの削除をすることになります。
もっとも、5ちゃんねるの場合と同様に、削除依頼のスレッドが立つため、氏名やメールアドレスなどが他のユーザーに知られてしまいます。削除依頼をしていることが犯人にバレると、また悪質な書き込みをされる可能性もあります。
そこで、このような事態をを避けるためには、裁判所に削除命令の仮処分の申し立てをするという方法をとることになります。
もっとも、専門的な知識や判断が必要になることから、自分自身で仮処分の申し立てをするというのはハードルが高いことは先ほど述べたとおりです。
4、弁護士に依頼するメリット
誹謗中傷の書き込みは、そのまま放置しておくと被害が拡大していくことから、なるべく早く対処しなくてはなりません。
もっとも、メールや削除依頼申請フォームでの削除理由の書き方や仮処分の申し立てをするための必要書類や手続きなど、分からないことが多いのではないでしょうか。
法律の専門知識を有しており、悪質な書き込み削除の実績がある弁護士に依頼すれば、書き込みを削除してもらえる可能性が高くなります。
また、書き込みの削除までスピーディに処理してもらえ、適切な誹謗中傷対策を施してくれるので、被害が最小限にとどまる可能性が高くなります。
さらに、必要があれば5ちゃんねるに書き込んだ相手方を特定したり、被害を金銭で賠償させるという手段も合わせて依頼することもできます。
このように、自分自身でインターネットの情報などを頼りながら書き込みを削除することもできますが、弁護士に削除の依頼をするメリットも多くあります。
5、ネットの削除業者に要注意!
インターネットで「5ちゃんねる 削除依頼」と検索すると、削除依頼の代行を商売としている削除業者を目にすることがあるでしょう。
このようなネットの削除業者に、5ちゃんねるの書き込みの削除依頼をするにあたっては、注意が必要です。
弁護士法72条によれば、「弁護士でない者は、報酬を得る目的で……一般の法律事件に関して……法律事務を取り扱い、又はこれらを斡旋することを業とすることができない」とされています(非弁行為の禁止)。
これは、弁護士でない者がお金のために法律事件に関する法律事務を行ってはいけないということです。
そして、電子掲示板の書き込みの削除依頼も、弁護士しか取り扱うことのできない法律事件に関する法律事務であると考えられてます。
そのため、本人に代わってネットの削除業者が5ちゃんねるの書き込みの削除依頼を行うことは、弁護士法72条に違反する可能性があります。
ネットの削除業者の中には、弁護士が削除依頼を行うと嘘をついていたり、実在の弁護士の名前を勝手に使用して削除依頼の代行を行おうとするところもあるようです。
したがって、削除依頼の代行を考えている場合には、不要なトラブルに巻き込まれないためにも、代行を依頼する前に弁護士に相談することをお勧めします。
6、まとめ
今回は、5ちゃんねるの書き込みの削除依頼の方法や2ちゃんねる(2ch.sc)の投稿(スレッド・レス)を削除する方法などについて紹介してきました。
一度誹謗中傷の書き込みがされてしまうと被害はどんどん拡大してしまい、ネット上に半永久的に残る可能性があることから、その後の人生に大きな影響を及ぼしかねません。
できるだけ早く弁護士に相談し、適切な対処をすることが大切です。5ちゃんねるや2ちゃんねる(2ch.sc)の悪質な書き込みでお悩みの方は、ベリーベスト法律事務所・札幌オフィスにご相談ください。札幌オフィスの弁護士が全力であなたをサポートいたします。
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