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退職金を支払ってもらえない! 労働者がとるべき対応を弁護士が解説

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2020年06月12日
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退職金を支払ってもらえない! 労働者がとるべき対応を弁護士が解説

平成27年に実施された国勢調査の結果、札幌市の完全失業者は4万8619人、完全失業率は5.4%で、前回調査となる平成22年時点よりも失業率は改善されています。
とはいえ、いまだに5万人弱の方が失業し、全体の約5%もの労働者が職を失っているという現状は軽視できるものではありません。

退職すると「退職金が支払われる」という流れは、至極当然のことだと考えるかもしれませんが、なかには「退職金を支払ってもらえなかった」というトラブルも少なくありません。
特に、取引先とのトラブルや不祥事を起こし、会社を解雇されてしまった場合、会社側から「退職金と賠償金を相殺する」といった宣告をされ、仕方がないと泣き寝入りしているケースもあります。

本コラムでは、ベリーベスト法律事務所 札幌オフィスの弁護士が、会社が退職金を支払ってくれない場合に労働者がとるべき対応策について解説します。

1、退職金とは? 退職金制度について解説

そもそも「退職金」とはどのような制度なのでしょうか?
この点を正しく理解しておく必要があるため、退職金制度について解説していきましょう。

  1. (1)退職金とは?

    退職金とは、退職した労働者に支払われるお金のことです。会社によっては、退職手当や退職慰労金といった名称を使う場合もありますが、名称が異なっていても基本的には同じものです。退職金制度を用意しなければならないという法的な定めがあるわけではないため、企業ごとに制度も異なり、就業規則で定められているところもあれば、就業規則等の規定がないものの慣行的に支払われているところもあります。

  2. (2)退職金の性質

    退職金は、次の2つの性質を持っていると考えられています。

    • 賃金の後払い、または在職中の功労報償としての性質
    • 任意的恩恵的給付としての性質


    両者の区別は、退職金規程や労使慣行によって支給基準が定められているか否かによります。法律上、退職金請求が可能となるのは、会社内の支給基準(裁判所が当該退職者の退職金を算出できる基準)が見出せる場合です。賃金の後払い・在職中の功労報償としての性質をもつ退職金です。

  3. (3)会社は退職金を支払う義務があるのか?

    退職金制度は、すべての会社に存在しているわけではありません。
    厚生労働省の調査によると、退職金制度がない企業の割合は19.5%となっており、5分の1の会社では退職金制度がないのです。

    「退職金がないなんて、違法ではないのか?」と疑問に感じる方もいるかもしれません。
    しかし、そもそも「会社は労働者の退職時に退職金を支払わなくてはならない」と定めた法律は存在しません。

    労働基準法においても、第89条で「退職手当を定める場合、労働者の範囲、退職手当の決定、計算および支払いの方法・時期に関する事項を就業規則に記載し行政官庁に届け出すること」と規定されているだけで、退職金を支払う義務は課せられていません。

  4. (4)退職金と財形貯蓄の違い

    退職金には「賃金の後払い」という性質を持っているものがありますが、このように説明すると、「財形貯蓄と同じでは?」と感じる方もいるでしょう。

    退職金と財形貯蓄の違いは、次の点にあります。

    • 退職金はすべて会社任せの積み立てだが、財形貯蓄は労働者が自分で運用を決める必要がある
    • 退職金は雇用主が負担して積み立てるが、財形貯蓄は労働者が給与から積み立てる
    • 退職金は会社倒産のリスクがあるが、財形貯蓄は社外での積み立てになるので保全される
    • 中途で退職すると退職金は勤務年数の影響を受けて少なくなるが、財形貯蓄は転職先に持ち運びが可能


    退職金と財形貯蓄は「積み立てる」という形式が似ているだけで、本質的にはまったく別のものです。考え方を切り分けて上手に使い分けたいところです。

2、退職金の種類

退職金は「会社が貯蓄している資産から支払う」というイメージが強いかもしれませんが、外部機関に積立金を支払って支給する制度を活用している会社も数多くあります。ご自身の退職金が、どういった制度のものか、しっかりと確認しておくことが大切です。

  1. (1)退職一時金

    退職時に会社から一括で退職金が支払われる制度です。
    基本給に連動する基本給連動型、勤続年数や退職事由によって一定額を支給する定額制、入社から退社までの職務や資格などの累計ポイントを考慮するポイント制などがあります。

  2. (2)中小企業退職金共済

    中小企業退職金共済、通称「中退共」に加入し、事業主が月々の掛け金を全額負担することで、中退共から退職金が支給される制度です。
    一時金、年金形式での支給が選択できることにくわえ、中退共に加入している企業間同士であれば、納付月数を通算できるというメリットがあります。

  3. (3)特定退職金共済

    特定退職金共済制度は、中小企業に限らず大企業でも加入できる制度です。企業側の資金負担を平準化することで、従業員のための退職金を計画的に準備できます。所得税法施行令 第73条に定める「特定退職金共済制度」として、国から承認を受けています。

  4. (4)退職金保険

    退職金の原資をプールする方法として、生命保険・養老保険・医療保険などを活用する方法です。生命保険の解約返戻金、養老保険の満期保険金を使って退職金を支払います。

  5. (5)厚生年金基金

    厚生年金基金法に基づく、企業年金制度のひとつが厚生年金基金です。
    加入期間などに応じて、あらかじめ退職金が確定している「確定給付型」と呼ばれる方式をとっています。国の代わりに厚生年金保険の一部を給付し、さらに独自の上乗せ給付を保障します。ただし、社会経済情報の変動や、資金確保が危うくなるなどの問題が生じており、平成26年4月から、新規の設立は認められていません。

  6. (6)確定給付企業年金

    近年、厚生年金基金は利用者が減少傾向にあり、代わって台頭しているのが確定給付企業年金です。
    確定給付企業年金(Defined Benefit Plan=DB制度)は、年金受取を前提に設計するため、老後の収入が安定する制度です。会社が資産運用してくれるため、労働者が資産管理に悩む必要がなくなります。
    決まった額が加入者に支払われるという安定感がある一方で、個人別の残高は把握できないというデメリットがあります。

  7. (7)確定拠出年金

    確定給付企業年金とともに増加しているのが確定拠出年金(Defined Contribution Plan=DC制度)です。
    労働者自身が運用商品の中から運用指図をおこなうため、運用リスクを負うというデメリットがあります。
    ただし、運用実績によって将来の給付額が変動するため、年金資産が増える期待がある点、個人ごとに年金口座を持つので残高が明確という点でメリットがあります。

3、会社をクビになった! 解雇の場合、退職金はもらえない?

何らかのトラブルや不祥事などを起こして解雇される場合、上司から「退職金は出せない」「退職金から損害分を減額する」と告げられるケースが予想されます。

会社を解雇、つまりクビになった場合、退職金が支払われなかったり減額されたりといったペナルティーを受けても当然なのでしょうか?

  1. (1)就業規則で規定されていない限り、退職金はもらえる

    1-(2)のとおり、支給基準が定められている退職金については、就業規則に「この理由に該当した場合は退職金を支給しない、減額する」といった規定がない限り、原則として退職金をもらう権利があります。労働基準法上の「賃金」として扱われるため、会社は、直接、全額を支払う義務があるのです(労働基準法11条・24条1項)。
    もし、会社から「損害が大きいので退職金と相殺する」「損害分を減額する」といわれて、その理由が正当なものだったとしても、いったんは退職金を支払ったうえで相殺・減額の交渉がおこなわれるべきでしょう。
    ただし、非常に例外的ですが、就業規則上の退職金不支給条項が存在しなくとも、退職金請求権の行使が権利濫用に当たって請求が認められないというケースも存在します。

  2. (2)不支給・減額規定の合理性がポイント

    就業規則において不支給・減額が規定されていても、解雇されれば必ず適用が認められるわけではありません。裁判所では、「労働者の勤続の功を抹消ないし減殺してしまうほどの著しく信義に反する行為があった場合」に限り、不支給・減額を認めています。

    懲戒解雇といえども、退職金の不支給・減額が必ず認められるわけではないので、「就業規則で規定されているから」と諦めてしまう必要はありません。

4、未払い退職金を請求する方法

未払いとなった退職金を請求する方法を解説しましょう。

  1. (1)書面で請求する

    口頭による請求では、請求をした事実を証明できません。まずは、請求書という形で書面を送付して、会社の対応を確認してみるべきでしょう。
    反応がなければ、内容証明郵便で請求書面を送付するのが賢明です。内容証明郵便は、書面の内容や郵便受け取りの事実を証明できる方式であるため、後々に紛争になったとしても請求したことの証拠となります。

  2. (2)紛争調整機関を利用する

    労働者と会社の間で交渉しても解決しない場合、行政の力を借りる方法もあります。
    一般的には「労働基準監督署に相談すべき」と考えるかもしれませんが、労働基準監督署の所掌業務は法令違反行為に対する監督・取り締まりが中心です。退職金未払いトラブルに対しては、一般的なアドバイス程度にとどまります。
    退職金の未払いに関しては、各都道府県の労働局に相談するほか、専門家で組織された紛争調整委員会のあっせんを受けるという方法があります。

    また、弁護士へ相談し、交渉の進め方についてアドバイスをもらう、交渉の代理を務めてもらうといったサポートを受けることもおすすめです。弁護士をたてたことによって、会社側が交渉に応じるケースも少なくありません。

  3. (3)裁判を起こす

    紛争調整機関の力を借りても退職金が支払われない場合は、裁判所の手続きを利用する必要があります。
    裁判所の手続きとしては、訴訟のほか、労働審判という制度もあるので、弁護士と相談して手続きを進めるのが賢明です。

5、未払い退職金の請求で注意するべきポイント

未払いの退職金を請求するうえでは、次のポイントに注意しておきましょう。

  1. (1)請求の時効は5年

    退職金の請求には期限があります。
    民法ではこれを「消滅時効」といい、時効を過ぎてしまうと退職金の請求権そのものが消滅してしまうので注意が必要です。

    退職金の消滅時効は、所定の支払日から5年です(労働基準法115条)。
    給料や残業代などの賃金は3年と定められていますが、退職金はほかの賃金よりも長い時効が設定されています。

    訴訟などの手続きをしていると5年を過ぎてしまうという場合でも、時効の「中断」を期待できるケースがあるので、早急に弁護士に相談しましょう。

  2. (2)請求の根拠となる証拠をそろえる

    退職金の請求には、証拠が必要です。

    ●労働契約に関する証拠
    労働契約書、雇用契約書のほか、労働条件の通知書などが考えられます。

    ●会社の支払い義務を証明する証拠
    就業規則、退職金規定などが考えられますが、これらが存在しない場合は入社時に交付された就業内容の説明書なども有効です。

    ●退職を証明する証拠
    離職票、退職証明書があれば、在職の期間や退職の理由などの証明になります。

    どのようなものが証拠となるのか、手元にある資料が証拠となるのかは、弁護士にアドバイスをあおぐと良いでしょう。早い段階で弁護士に相談し、証拠の保全をおこなうことが大切です。

6、まとめ

退職金支払に関する明確な基準がある会社では、労働者は原則的に退職金の支払いを受ける権利があります。
懲戒解雇を受けた場合でも、それまでの功労を滅失するほどの著しい損失や信義違反がない場合は退職金が支給されることがあるので、泣き寝入りをせずに退職金の支払いを求めましょう。

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  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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