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残業代請求の失敗例からみえる成功ポイントについて弁護士が解説

2021年06月10日
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残業代請求の失敗例からみえる成功ポイントについて弁護士が解説

北海道函館市の職員が、勤務時間内の出勤も「時間外」と申告し、時間外勤務手当を不正に受けとっていたことが、令和元年6月に判明したという報道がありました。

もちろん、このような不正な請求は論外です。しかし、本当に残業していたにもかかわらず、証拠が足りないなどの理由で残業代を支払ってもらえないというケースはあります。

今回は、残業代請求の失敗例とそこからわかる残業代請求の成功ポイントについて、ベリーベスト法律事務所 札幌オフィスの弁護士が解説します。

1、残業代請求ができるケースとは

まずは、残業代請求ができる条件について知っておきましょう。

  1. (1)所定労働時間を超えて働いている人すべて

    残業代は、所定労働時間を超えて働いている人がすべてもらえるものです。所定労働時間とは、就業規則や雇用契約書で定められた労働時間のことです。所定労働時間は会社ごとに法定労働時間(1日8時間)の範囲内で自由に決められるものですが、労働者にこの所定労働時間を超えて働かせるときは、残業代が支払われなければなりません。

    原則として、1日あたり8時間を超えない部分を「法内残業」、8時間を超える部分を「(法定)時間外労働」と呼びます。法内残業の場合は、基礎時給に所定労働時間を超える部分の実労働時間を掛けた金額が支払われます。一方、時間外労働の場合は基本時給に25%上乗せした割増賃金が支払われます。

  2. (2)固定残業代(みなし残業)制ではどうなる?

    固定残業代(みなし残業)制とは、一定時間分の残業が発生すると仮定し、実際にその時間分の残業をしてもしなくてもあらかじめ定められた残業代を支払うとする制度です。

    しかし、想定された時間よりも実際の残業時間が長くなったときは、追加で残業代請求ができる可能性があります。

  3. (3)みなし労働時間制の場合は?

    みなし労働時間制には、大きく分けて裁量労働制と事業場外みなし労働時間制の2種類があります。どちらも、労働時間配分は労働者の裁量にまかせ、あらかじめ決まった時間分を働いたとみなす制度です。

    裁量労働制の場合は、労使協定を結んで、労働基準監督署に提出することが必要です。ただし、みなし労働時間制でも、所定労働時間を超えて働いているときは、残業代を請求することができます

2、残業代請求の5つの失敗例

労働者が企業を相手に残業代請求のための労働審判や労働裁判をした場合、労働者側に有利な判決が下されることが多い傾向があります。しかし労働者側が負けることも少なからずあるのです。

労働者側が残業代請求に失敗してしまう理由について解説します。

  1. (1)そもそも残業代が発生していなかった

    残業代請求の失敗例として考えられるのが、労働時間をきちんと計算したところ、残業代が発生していなかったことです。

    特にみなし労働時間制をとっている会社では、労働時間があいまいになりやすいので、長時間仕事をしていると「残業代が発生して当然だ」と思いがちです。しかし、労働時間の合計が就業規則や労使協定で定められた範囲内であれば、残業が発生しないケースもあるのです。

    また、労働基準法で「管理監督者」とされている者も残業代は発生しません。管理監督者とは、会社の執行役員のように経営に参画する立場で労働時間を自分でコントロールでき、しかるべき処遇も受けていている者を指します。管理監督者であれば、労働基準法上の労働時間や休日のルールを適用しなくてもよいとされているので、残業代が発生しないのです。

  2. (2)残業していた証拠がない

    また、残業していても、残業していた時間や残業していたことを証明する証拠がないのも、残業代請求の失敗例のひとつです。

    有力な証拠資料として採用されやすいものとしては、タイムカードやシフト表、日報、IDカードの入退室記録などがあります。それらが用意できない場合は残業代請求をしても「証拠がない」もしくは「証拠が不十分」と言われる可能性もあるでしょう。

  3. (3)時効が過ぎていた

    残業代請求できる時効が過ぎていることも、失敗例としてあげられるでしょう。

    残業代請求が請求できるのは、残業代が支払われるはずだった給料日からさかのぼって2年です。それ以前に発生している残業代は、どんなに高額であっても消滅時効にかかっているので請求ができません。

    令和2年4月1日に改正民法が施行されるにあたり、賃金請求権(残業代請求権)については消滅時効が2年から5年に延長されました。しかし、それ以前の残業について請求する場合の時効は変わらず2年ですし、当面の間は経過措置として3年となっています

  4. (4)自力で交渉しようとした

    会社に残業代請求するときに、だれの力も借りずに自力で交渉しようとするのはとても難しいでしょう。

    残業代請求をするには、残業をしていた事実を示す証拠や残業時間を示す証拠を集めることが必要です。また、それらの証拠をもとに、会社の経営陣を相手に「これだけの残業が発生していた」とロジックを立てて主張しなければなりません。会社の上層部を納得させられるだけの主張を行うことは、よほどスキルがなければと難しいでしょう。

  5. (5)勝手に残業していた

    上司の残業指示がなかったのにもかかわらず、残業代を少しでも多くもらうためだけに残業していたときには、残業代請求ができないことがあります。

    労働者が勝手に残業している場合は、会社の業務指示もなく会社の指揮命令下にもないので労働時間とは認められにくいからです。しかし、明らかに業務時間内に終わらない業務を指示されていた場合や、労働者が残業しているのを上司が止めなかった場合は、黙示の残業命令があったとして残業代請求が認められることもあります。

3、残業代請求で従業員が負けた判例

ここでは、残業代請求の裁判で従業員が負けた判例(企業側勝訴判例)を紹介します。たいてい、労働者側が会社側に残業代を求めて裁判をすると労働者側が勝つことが多いのですが、どのような理由で残業代請求が認められなかったのでしょうか。

  1. (1)残業禁止命令があったにもかかわらず残業していたケース

    ミューズ音楽院長は、36協定が締結されていないことを理由に従業員Xらに残業を禁止し、残業が生じる場合には役職者に引き継ぐよう命じていました。しかし、Xらは残業禁止命令に反して行った時間外労働について残業代を請求します。裁判所は、使用者の明示的な残業禁止命令に反して業務をしたとしても、これを労働時間と解することはできない」としてXらの訴えを退けました。(東京高判平成17年3月30日労判905号72頁)

  2. (2)時効成立により一部の残業代が支払われなかったケース

    個別指導塾で常勤講師勤務をしていた従業員が、退職後221万円の残業代を求めて争った事件です。会社側は、請求金額の一部についてすでに消滅時効が成立していると主張し、裁判所も会社側の主張を認め、請求金額221万円のうち時効が経過していない部分(80万円)のみの支払いを会社に命じました(東京地裁平成27年2月13日判決)。

  3. (3)管理監督者だったため残業代請求が認められなかったケース

    この事件は、エリアマネージャーのような立場にあった従業員Xが、管理監督者と言えるかどうかが争われた事件です。

    Xは退職後、エリアマネージャーは管理監督者にはあたらないとして時間外手当などの支払いを求めました。裁判所は、Xが予算案の作成やイベント企画について裁量があったこと、採用や昇進に影響していたこと、他の従業員と基本給に倍近い差があったことなどから、管理監督者にあたるとしてXの請求を退けました。(京都地裁平成24年4月17日労判1058号69頁)

4、残業代請求を成功させる5つのポイント

残業代請求の失敗例から、残業代請求を成功させるポイントは5つあると考えられます。その5つのポイントとはどんなことでしょうか。

  1. (1)残業時間を正確に算出する

    まず、残業時間を正しく算出することがポイントです。タイムカードやIDカードの入退室記録のコピーが手に入るようであれば、それらを使って残業時間を計算します。入手しにくいようであれば、手帳などに出退勤時間をメモしておき、それをもとに計算しましょう。

    特に変形労働時間制を採用している会社では、どこからどこまでが残業になるのかがわかりにくくなっています。そのため、残業時間の計算は弁護士にアドバイスを求めるか、もしくは計算自体を弁護士にまかせたほうがよいでしょう。

  2. (2)証拠を集めておく

    また、残業の証拠を集めておくこともとても重要になります。証拠は、残業していた事実を示すものと、残業時間を示すものの両方が必要です。具体的には、以下のような証拠があるとよいでしょう。

    <残業していた事実を示す証拠>
    • 取引先に送ったメール
    • 上司からの残業を指示されたメールや文書
    • パソコンのログイン・ログオフの記録
    • 業務日報 など


    <残業時間を示す証拠>
    • タイムカード
    • IDカードの入退室記録
    • 毎日の勤怠時間を書いたメモ・手帳
    • 家族に毎日仕事が終わった時間を伝えたメールやLINE
  3. (3)「名ばかり管理職」であることを証明する

    「店長」「マネージャー」などの肩書の方は、いわゆる「名ばかり管理職」にされている可能性があります。労働基準法上の「管理監督者」とは、経営者と一体的立場で経営の意思決定に関わったり、業務時間や業務量に一定の裁量が認められたり、立場にふさわしい待遇が与えられている人のことを指します。

    「店長」「マネージャー」の肩書を持つ方は、この管理監督者にあてはまるように思えるかもしれません。しかし、これらの肩書を持っていても、実質的には一般的な従業員と同じ労働基準法上の管理監督者にはあたらない「名ばかり管理職」となっているケースがあります。

    このような立場の方が残業代を勝ち取るには、会社の意思決定に関わっていないことや、お店の営業時間を自由に決められないことなどの証拠を示し、法律上の管理監督者に該当しないことを証明する必要があるのです。

  4. (4)時効の完成を猶予させる

    未払い残業代を請求できる時効がせまっている場合は、時効の完成を遅らせれば時効の進行を一時的に止めることができます。すでに消滅時効が成立してしまった残業代が出始めているときでも、時効の完成を猶予させることで少しでも回収できない残業代を減らすことができます。

    今までの民法であれば時効の完成を猶予する(時効を中断させる)には、催告をしたり裁判上の請求をしたりしなければなりませんでした。しかし、改正民法が施行される令和2年4月1日以降は、会社側と協議をすることを書面で合意したときにも時効の完成が猶予できるようになりました。より簡易的な手続きで時効の進行を止めることができるようになりましたが、時効があることに変わりはありません。早期に請求したほうがよいでしょう

  5. (5)弁護士に相談する

    会社側と対等な立場で残業代の交渉をするには、さまざまな法的知識をそなえる必要がありますそのためには、弁護士に相談してアドバイスを求めたり、交渉やそれにともなう手続きを弁護士にまかせたりしたほうがよいでしょう

    依頼を受けた弁護士は、交渉に先んじて内容証明郵便を弁護士の名前で送ったり、代理人として会社側と交渉したりすることができます。交渉がまとまらない場合も、裁判所に労働審判を申し立てることも可能です。さらに、裁判になったときも代理人として最後までサポートしてもらえば、有利な条件で問題解決できる可能性も高くなると考えられます。

5、まとめ

残業代請求の訴訟は、労働者側に有利な判決が下ることが多いものの、労働者側が負け、企業側が勝訴する判例も少なからず見受けられます。残業代請求をしようとするときは、これらの残業代請求の失敗例から、残業代請求を成功させるポイントを学ぶことが重要であると言えるでしょう。

ベリーベスト法律事務所 札幌オフィスでは、残業代請求を検討されている方からのご相談を、北海道全域から受け付けています。残業代請求をするにはどうすればいいか、そもそも残業代が発生しているかどうかわからない場合は、まずはお気軽にお問い合わせください。親身になって対応します。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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