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建設業における雇用契約書の書き方と、ひとり親方を一定期間だけ雇う場合の留意点

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2019年09月05日
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  • 建設業
建設業における雇用契約書の書き方と、ひとり親方を一定期間だけ雇う場合の留意点

札幌市が公表している「札幌市統計書(平成30年版)―事業所」によると、平成28年6月1日時点において、民営で建設業を営んでいる事業所は総数6400事業所、内個人事業者が301件あることがわかっています。

建設現場では建設会社の社員だけでなく、多くのひとり親方や職人などの個人事業主も仕事に従事していることはご存じのとおりです。工事の規模や業務量に応じて、一定期間だけ人を雇うケースもあるでしょう。

人を雇うときは雇用契約書を適正に作成し交付することで、のちに起こりうるトラブルを防ぐことができます。この記事では、建設業の経営者に向けて、雇用契約書作成のポイントと留意事項を札幌オフィスの弁護士が解説します。

1、雇用契約書が必要な理由

人を「雇う」際には、トラブルが起きないようにしっかりと雇用契約を締結することが大切です。まずは雇用契約書が必要になる理由から確認していきましょう。

  1. (1)労働者とひとり親方の法的な違い

    労働者は雇用契約に基づいて働く者のことで、使用者の指示のもと労務を提供する対価として労働時間に応じた賃金を受け取ります。一方、ひとり親方は業務委託契約に基づいて働く者のことで、労働者ではなく個人事業主に分類されます。

    個人事業主と労働者の違いは、意外と大きなものです。個人事業主は、契約の内容に記載されていない限り、発注者の指揮命令や管理を受けず、仕事の結果に応じて報酬を受け取る点が労働者とは大きく異なります。

    ただし、ひとり親方の場合、普段は個人事業主として働きながら一時期のみ使用者と雇用契約を結び、労働者として働くケースもあります。両者の法的な違いをよく理解しないままひとり親方を働かせてしまうと、法に抵触したり、後にトラブルになったりするおそれがあるので注意が必要です。

    一般的にひとり親方を雇い入れている間は労働者としての扱いになりますので、法律に準じた雇用契約書を作成する必要があります。

  2. (2)雇用契約書の書き方で知っておくべき法律と基準

    労働基準法第15条および施行規則第5条では、労働条件の明示が義務づけられています。これはどのような企業や個人事業者であっても変わりありません。いずれも違反すれば30万円以下の罰金が科される可能性があります。

    たとえ業態が特殊な建設業であっても労働条件の明示義務については他業種と同じ扱いであることに注意が必要です。

    ただし、法的に必須とされているものは、「雇用契約書」ではなく「労働条件の明示」です。したがって、労働条件の明示義務を果たすために雇用契約書が労働条件通知書を兼ねてもかまいません。就業規則の中で当該労働者に該当する箇所を個別に交付する形であっても効力を発揮します。しかし、雇用契約書は双方の署名捺印があるため、労働条件の通知の役割を加えておくことで紛争のリスクを軽減できます。

    また、ひとり親方を一定期間雇用する場合は、有期雇用契約に該当します。そのため、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」にも留意しなくてはなりません。この基準は労働基準法第14条第2項に基づき、労働者と使用者との紛争を未然に防止することを目的として定められたものです。

2、建設業における雇用契約書の書き方のポイント

上記の法律や基準をもとに、建設業の使用者が雇用契約書を作成する際に記載しなければならない項目を確認していきましょう。

  1. (1)必ず明示しなくてはならない項目

    以下の6つは、労働基準法施行規則第5条で定められている必須項目です。必ず明示してください。ただし、明示しておいたからといっても不当とみなされる内容であれば無効となる点にも注意が必要です。

    ①労働契約の期間、更新について
    建設作業が完了するまでの一定期間だけ雇うのであれば契約始期と終期を記載します。さらに契約更新の有無を記載し、契約更新がある場合には更新の判断基準も示しておきます。

    ②就業場所、従事する業務の内容
    建設業務に従事する現場のほか、現場作業以外の業務があれば業務内容と場所を明記します。

    ③始業・終業時間、所定労働時間を超える労働の有無、休憩、休日、休暇、交代制で就業させる場合の就業時転換に関する事項
    労働条件を記載します。天候や現場の状況によって勤務時間が変更になる可能性があればその旨も記載します。

    ④賃金の計算・決定・支払い方法、賃金の締め切り・支払い時期
    雇用契約を結ぶ以上、ひとり親方であっても賃金の支払い対象となりますので、賃金に関する事項は計算の根拠まで細かく記載する必要があります。

    ⑤退職に関する事項
    退職を申し出る方法や時期、解雇の事由などです。ただし、有期雇用契約の場合は契約期間中、特別な事情がなければ解雇はできません。

    ⑥昇給に関する事項
    昇給の有無や昇給する時期、そのほかの条件などを記載します。

  2. (2)そのほか記載するべき項目

    上記のほか、退職金や賞与、休職規定など、制度を設ける場合に明示しなければならない事項があります。さらに、ひとり親方を雇用する場合は「そのほか」の項目として社会保険や雇用保険、労災保険の加入・適用の有無も記載しておくとよいでしょう。特に建設業は業務中の危険が伴うため、保険関係でトラブルが起きやすい傾向があります。

    通常、ひとり親方は労災の適用対象外となり「特別加入」を利用しますが、雇用契約を結ぶ場合は使用者の労災保険の適用を受けるので、その旨も記載しておきましょう。

3、建設業における雇用責任について

建設業において使用者が「雇用契約」と「業務委託契約」を混同してしまい、しばしば問題になるケースがあります。まず、雇用契約を締結した場合、使用者には次の雇用責任が発生します。

  • 業務についての指示命令や労働時間管理をすること
  • 労働時間に応じた賃金を払うこと
  • 仕事の結果について使用者が責任をもつこと
  • 材料や道具を供与・貸与すること
  • 適正に休日や休憩を与え、残業代を支払うこと
  • 不当解雇しないこと
  • 社会保険、雇用保険の対象とし、保険料を負担すること(加入要件を満たした場合)
  • 労災保険の対象とすること


上記のような雇用責任を負えないのであれば、雇用契約ではなく業務委託契約を選択した方がよいケースもあります。業務委託契約では、雇用責任を負わない代わりに、ひとり親方に対して労働時間の管理や指揮命令を行わないなど個人事業主として仕事を依頼します。

ただし、業務委託契約を結んだとしても実態が雇用関係にあるとみなされてしまえば、雇用責任を問われるケースがあります。注意しましょう。

4、判断が難しいときは弁護士に相談を

建設業は、他業種と比べ、労働条件や労働環境が特殊な面があります。そのため、通常の雇用契約の書き方と比較して留意するべきポイントが多数あることを知っておきましょう。

どのような契約形態を採用するべきか判断に迷うこともあるでしょう。特に、初めて人を雇う経営者は契約や法律に関する実務経験がなく、意図せずトラブルに発展するケースも散見されます。あらかじめ弁護士に相談しておくことが得策です。

事前に弁護士に相談しておくことで、契約関係の法的アドバイスをするだけでなく、万が一のトラブルに備えて隙のない契約書を作成することもできます。安心して人を雇うことができれば、経営者は自分の業務や経営活動に専念することができるでしょう。

5、まとめ

建設業の経営者に向けて雇用契約書の書き方のポイントを中心に解説しました。いわゆる「ひとり親方」に対して一時的に働いてもらうよう依頼する場合、雇用契約に該当するのであれば労働条件通知書を兼ねた雇用契約書を作成しておくようにしましょう。万が一の際、トラブルとなることを防ぐことができます。また、ひとり親方も労働条件を明示されれば安心して働くことができるでしょう。

原則、どのような内容であっても、人を雇った時点で雇用責任が生じます。しかし、必ずしも雇用契約が適しているとは限りません。適切な契約や法律上の留意点を弁護士に相談して最適な依頼方法を模索しましょう。

ベリーベスト法律事務所 札幌オフィスでは、経営者が気軽に相談できるように顧問弁護士サービスも提供しております。万が一の際に備え、まずは一度ご相談ください。

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