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交通事故の影響で痛みなどの症状が残った! 後遺障害等級はどう決まる?

2020年02月04日
  • 後遺障害
  • 交通事故
  • 後遺障害等級
交通事故の影響で痛みなどの症状が残った! 後遺障害等級はどう決まる?

交通安全都市宣言を行った札幌市では、交通安全教室の開催や広報活動、DVDの貸し出しなどさまざまな取り組みが実施されています。札幌市が公表している「統計さっぽろ」によると、平成29年の交通事故による負傷者は5930人と報告されており、後遺症に悩む方は少なくないのではないかと考えられます。

そこで本コラムでは、交通事故の影響で症状が残ってしまった際に知っておきたい、適切に後遺障害等級を認定してもらう方法について、札幌オフィスの弁護士が解説します。

1、後遺障害等級認定とは何か

  1. (1)後遺障害とは

    後遺障害とは、交通事故によりケガを負い、治療を継続したにもかかわらず、症状固定時(治療の効果が期待できず、残存する症状の快復が見込めない状態)に残存してしまった症状のことをいいます。
    なお、自動車損害賠償保障法(自賠法)施行令第2条第1項第2号には、「傷害が治つたとき身体に存する障害」と定義されています。
    「後遺症」という言葉も一般的によく使われていますが、「後遺障害」と「後遺症」は厳密に区別して使われているわけではありませんし、ほとんど同じ意味と捉えてよいでしょう。

  2. (2)後遺障害の等級認定とは

    交通事故の態様がさまざまであるように、どのような後遺障害が残ってしまうのかも人それぞれです。また、残存した症状の程度なども人によって異なってきます。そのため、交通事故により後遺障害が残ったとして、後遺障害に対する慰謝料などの損害賠償を加害者に請求するにあたっては、その後遺障害の種類や程度を被害者側で立証する必要があります。そして、一般的には、損害保険料率算出機構が運営する「自賠責損害調査事務所」に対して申請をして、後遺障害として認定してもらうという方法で、後遺障害の種類や程度を立証することになります。
    後遺障害は、症状や状態、程度によって分類されています。具体的には「介護を要する後遺障害」を2つの級に、「(その他の)後遺障害」を14の級に大きく分類し、各等級の中でさらに細かく項目分けがなされているのです。このような分類に基づいて、自賠責損害調査事務所が後遺障害を認定することを、後遺障害の等級認定といいます。

2、後遺障害の認定について

  1. (1)後遺障害の等級認定はだれが行うのか

    上記のとおり、後遺障害の等級認定をするのは、相手方が加入する保険会社などではなく、損害保険料率算出機構が運営する「自賠責損害調査事務所」という第三者機関です。自賠責損害調査事務所では、自賠責保険(自動車損害賠償責任保険※共済含む。以下同様)へ行われた後遺障害の等級認定申請に対し、中立的な立場で損害調査を行い、後遺障害に該当するか否か、該当するとしてどのような等級に該当するのかの判断がなされます。

    「損害保険料率算出団体に関する法律」に基づいて設立された公的な組織が調査を行うため、その判断は中立的なものであるといえます。他方で、基本的に面接等はなく、書面審査のみによって後遺障害の有無などの認定がなされますので、適切な後遺障害等級の認定を得るためには、適切な書類の準備をすることが重要になります。

  2. (2)後遺障害等級認定申請を行うべき理由

    交通事故の被害者は、加害者に対して、交通事故との因果関係が認められる範囲で、治療費や、通院等の負担に対する慰謝料(入通院慰謝料)などの賠償を請求することができます。

    さらに、交通事故により後遺障害が残存した場合、当該後遺障害が残存したことに対する慰謝料(後遺障害慰謝料)などの請求も可能になります。
    他方で、上記のとおり、後遺障害の種類や程度などの立証責任は被害者側にあります。そしてその立証は、自賠責損害調査事務所において後遺障害等級を認定してもらうことにより行うのが一般的です。そのため、後遺障害が残ったという場合、加害者に対して後遺障害が残存したことに対する賠償を請求するために、後遺障害等級認定申請を行うべきなのです。

    後遺障害が残存していると認定された場合、主に以下の2つの費目について、加害者に対してその賠償を請求できます。

    ①逸失利益
    逸失利益とは、後遺障害によって仕事ができなくなったり、仕事の効率が落ちたりした場合の損害を補償するための賠償金です。どのくらい労働能力が失われ、損害額がいくらになるかを計算したうえで請求することになります。

    逸失利益の算定に際しては、事故前の収入である「基礎収入」と、事故によって労働能力が低下する割合を数値化した「労働能力喪失率」と、労働能力を喪失する期間の算出が必要になります。
    なお、労働能力喪失率の個別具体的な算出は非常に困難であるため、一般的には、後遺障害等級に対応して設定されている労働能力喪失率を参考に判断されます。

    なお、逸失利益とは、将来の減収分に対する補償であるので、本来的には、毎年・毎月の減収分対し、その都度支払いがなされるべきものであるといえます。他方で、損害賠償金の支払いは原則として一括払いですので、将来の減収分に対する補償である逸失利益についても、一括で支払われるのが通常ということになります。
    お金は運用をするなどして利益を生じさせることができるものであるため、将来もらえる分の金額を前倒して一括で支払ってもらう場合、当該運用利益分等を控除しなければ、「もらいすぎ」ということになります。
    そのため、逸失利益の計算に際しては、労働能力を喪失する期間について、単純にその期間を掛けるのではなく、当該運用利益分等を控除するための係数であるライプニッツ係数を用いて計算されるケースが一般的です。

    ②後遺症慰謝料(後遺障害慰謝料)
    後遺障害が残った場合、単に労働能力が減少するだけではなく、精神的な苦痛も受けることでしょう。思うように身体が動かなくなったり、積み重ねていたキャリアが台無しになったりといった苦しみは、後遺症慰謝料によって補償されます。

    後遺症慰謝料の算出には、一般的に「自賠責基準」と「任意保険基準」、そして「裁判所基準(弁護士基準)」という3つの基準が用いられます。このうち、弁護士が用いる裁判所基準(弁護士基準)で計算した後遺症慰謝料の金額が、最も高額になる傾向にあります。
    そのため、慰謝料などの金額に納得がいかないという場合は、弁護士に示談交渉を依頼することを検討してみてもいいでしょう。

    例えば、自賠責基準による14級の後遺症慰謝料は32万円、裁判所基準では110万円です。
    同様に、7級だと自賠責基準なら409万円ですが裁判所基準では1000万円、別表Ⅱの1級だと自賠責基準なら1100万円ですが、裁判所基準では2800万円です。歴然たる差があることがおわかりいただけるでしょう。

3、後遺障害等級認定の申請手順とプロセス

では、どのように後遺障害等級認定の申請を行えばよいのでしょうか。

  1. (1)症状固定

    後遺障害等級認定を受ける前提として、症状固定と呼ばれる状態まで治療を受ける必要があります。

    症状固定とは、今後、たとえ現代医学上で認められる適切な治療を続けたとしてもその効果が見込めなくなった状態で、残っている症状が時が過ぎても改善しないと考えられる状態を指します。症状固定のタイミングは、基本的に医師が判断します。症状固定となれば医師に後遺障害診断書を書いてもらい、後遺障害認定の申請手続きに移ります。したがって、いずれにしても症状固定の判断を受ける日までは、病院で適切な治療を続ける必要があるといえるでしょう。

  2. (2)後遺障害の等級認定を申請する2つの方法

    後遺障害等級認定の申請をする方法には、加害者の保険会社を経由して申請する「事前認定」と、被害者側が申請する「被害者請求」があります。

    事前認定は加害者の保険会社が申請手続きを代行してくれる申請方法です。事務手続きを加害者の保険会社に任せることができますが、後遺障害に悩む本人が手続きするわけでないため、適切な資料を集められるとは限らず、また、後遺障害診断書の記述などについて被害者が追記修正の依頼をかけることが難しかったり、申請過程を知ることが難しいなどのデメリットがあります。

    他方、被害者請求とは、被害者本人が申請を行う方法です。すべて自分でやろうとすると、大きな手間がかかることもありますが、適切な等級認定を受けられるよう、最善の努力を尽くすことができるというメリットがあります。

    前述のとおり後遺障害等級認定の手続は書面の記載のみによって行われますので、適切な資料を揃えて後遺障害等級認定の申請をしたか否かで、認定される等級が異なるケースがあります。不適切な等級が認定されてしまうと、受け取ることができる逸失利益や慰謝料の金額が大きく下がります(場合によっては数千万円の差が出てしまうことがあります)。できるかぎり被害者請求を選択し、十分な資料を揃えた上で申請をすることをおすすめします。
    なお、被害者請求については弁護士に申請手続きを委任することが可能です。後遺障害が残りそうで不安だという場合は、早めに弁護士へ相談してみてもいいでしょう。

  3. (3)等級認定の申請と弁護士

    前述のとおり、被害者請求は基本的には被害者本人が行うものです。しかし、どのような資料を用意すれば等級認定の際に役立つのかといった判断は、法的な知識や実務経験がなければ難しいものです。また、交通事故に起因した症状に悩まされている状態では、満足に資料集めをすることが難しい場合もあります。

    この点、交通事故問題に対応した経験が豊富な弁護士であれば、被害者請求手続きをあなたの代わりに行うことができます。資料集めや提出書類への記載についてもアドバイスが行えるほか、必要に応じて意見書を提出することも可能です。もしあなた自身で提出する場合であっても、弁護士に相談しながら書類作成などを進めることで、より適切な等級認定を受けられる可能性が高まるでしょう。

    また、弁護士が介入して交通事故における賠償金を請求することによって、慰謝料請求の際に裁判所基準(弁護士基準)に基づいて示談交渉を進めることができるため、適切かつ高額な賠償金の獲得が期待できます。交通事故被害にあったときはひとりで抱え込まず、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。

4、まとめ

後遺障害等級認定の申請においては、後遺障害診断書の記載や治療のプロセスが重要となります。適切な等級認定を受けることで、後遺障害部分に対する損害賠償の金額は大きく変わる可能性があるといえるしょう。書面や資料の準備をしっかり行うことで、より望ましい賠償請求が可能となります。

しかし、事故後、つらい症状に悩まされながら適切な手続きや交渉を行うことは非常に難しいものです。交通事故に巻き込まれた結果として発生した症状について、後遺障害等級認定の申請をして適切な賠償金を受け取りたいとお考えであれば、ベリーベスト法律事務所・札幌オフィスの弁護士までご相談ください。札幌オフィスの弁護士が、後遺障害等級認定申請のお手伝いをはじめ、加害者や保険会社との交渉まで全面的にサポートします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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