刑事事件を解決に導く弁護士の選び方は? 札幌オフィスの弁護士が解説
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家族が刑事事件を起こして逮捕されてしまった、あるいは今にも逮捕されるかもしれないといった状況になったとき、すぐに思い浮かぶのは弁護士ではないでしょうか。そのような状況下であれば、弁護士といえば唯一の味方となる人、というイメージを持つ方は多いかもしれません。
とはいえ、札幌弁護士会へ登録している弁護士は800名を超えています。(令和元年6月時点)その中から自分の家族を守ってくれる弁護士をどのように選べばよいのでしょうか。この記事では、刑事事件における適切な弁護士の選び方を解説します。
1、刑事事件で弁護士はどのような弁護活動をするのか
弁護士が具体的にどのような活動をするのかについて、詳しくは知らないという方は少なくないでしょう。ここでは、刑事事件における一般的な弁護活動を紹介します。
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(1)逮捕から勾留前まで
この段階では、不必要な逮捕や勾留を防ぐための活動が中心となります。逮捕された本人や家族へ今後の流れや見通しを伝え、黙秘権や署名拒否権などの防御策をアドバイスします。
勾留回避のため、勾留請求却下や勾留決定取り消しの要請を行うほか、違法捜査や取り調べがあれば抗議します。
また、勾留段階に入るまではご家族であっても面会できません。しかし、弁護士のみ自由な接見が可能です。そこで、依頼をいただけばご家族との連絡役や差し入れの受け渡しなども行います。
さらに被害者がいる事件では早急に示談交渉を進めます。直接、加害者本人や加害者家族が示談交渉を求めたとしても、多くの被害者は拒否します。そもそも被害者と面識がなければ、連絡先を警察が教えることはないため、交渉をはじめることもできません。しかし、弁護士であれば、加害側の代理人として交渉をすることができます。弁護士に依頼することによって示談が成立する可能性が大幅に上がります。 -
(2)勾留から起訴・裁判まで
勾留が決定されると、その後勾留期間満了までに起訴・不起訴処分が決まります。起訴されてしまうと99%の確率で有罪となるため、前科がつくと思ったほうがよいでしょう。不起訴となれば、裁判にかけられることもなくすぐに釈放されます。もちろん、前科もつきません。
そこで弁護士は、検察官に意見書を提出する、証拠を提示するなどして起訴を回避するために働きかけます。
万が一起訴され裁判になった場合は、保釈請求も行います。さらに裁判では、証拠の提出や証人尋問、弁論を通じ、量刑の軽減、無罪や執行猶予獲得など、被告人に有利となる判決を得るために活動を続けます。
本人やご家族のサポートも継続していきます。
2、弁護士の種類と特徴
弁護士には国選弁護人、私選弁護人、当番弁護士がいます。それぞれの特徴を確認してみましょう。
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(1)当番弁護士
弁護士会から派遣される弁護士のことで、1回に限り無料で利用できます。被疑者本人はもちろん、家族、友人などが呼ぶこともできます。ご家族などが呼ぶ場合、札幌市で逮捕されたのであれば、札幌弁護士会へ電話で連絡すると呼ぶことができるでしょう。
逮捕後すぐに呼ぶことができますが、1回の利用であるため、今後の流れや取り調べの際の一般的なアドバイスに終始することがほとんどです。また、当番弁護士を指名することはできません。必ずしも刑事事件に長けた弁護士が来てくれるわけではないということです。
対応した当番弁護士に引き続き弁護してほしいときは、別途私選弁護士として依頼する必要があります。無料で弁護活動をしてもらえるわけではなない点に注意が必要です。 -
(2)国選弁護人
日本司法支援センター(法テラス)が国からの委託を受けて派遣される弁護士です。主に経済的な理由で私選弁護人を選任できなケースで、原則無料利用できます。
申請は逮捕された本人が、通常は勾留質問のタイミングで行うことになります。難点は、勾留が決定した段階からしか利用できない点です。勾留前72時間の弁護活動が重要な刑事事件において、逮捕後すぐに呼べないのはデメリットでしょう。利用回数の制限はありませんが、当番弁護士と同じく「どの弁護士がいい」などの指定はできません。 -
(3)私選弁護人
被疑者や家族、友人が自由に選ぶことができる弁護人のことです。呼べるタイミングに制限はなく、いつでも自分の好きな弁護人を選ぶことができます。唯一のデメリットは弁護士費用がかかることです。費用は弁護士事務所などによって異なりますが、それなりに高額になってしまうこともあるでしょう。
しかし、私選弁護士であれば、逮捕される前からアドバイスをしたり、事情聴取などへ同行したり、身柄の拘束と面会の制限を受けているあいだであっても自由な接見が可能です。逮捕された本人の今後を考えれば、弁護活動に制限のない私選弁護人は大きな助けになるでしょう。
3、弁護士に依頼を断られるケースがある?
弁護士法や弁護士職務基本規定により、利益相反事件を扱うことができないルールとなっています。たとえば、事件を起こした加害者と、その加害者を解雇しようとしている会社は、利益が対立することになります。このとき、弁護士は双方の依頼を同時に受けることができません。
また、次のようなケースは適切な弁護活動ができないとして、断らざるを得ないことがあります。
- 依頼者が弁護士の助言を無視して勝手な行動にでる
- 緊急のときにも電話にでない、連絡が取れなくなる
- 弁護士にウソをつく、隠しごとをする
ほかにも、多数の案件を抱えている、接見が難しいなどさまざまな事情でお受けできないこともあります。刑事事件の場合は特に、早期から活動できるほうがよい結果となるケースが多いものです。まずは電話で確認することをおすすめします。
4、刑事事件で弁護士を選ぶ4つのポイント
弁護士は普段なかなか接する機会がありませんので、何を根拠に選べばよいか分からない方は多いでしょう。
ここでは、刑事事件における弁護士を選ぶ4つのポイントを紹介します。
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(1)全国にオフィスがある
被疑者が逮捕されるのは自宅の近くとは限りません。遠方で逮捕された場合、ご家族の自宅近くで選んだ弁護士では、打ち合わせ場所は近くても接見までに時間がかかり、出張費用などもかさんでしまいます。逆に逮捕場所で依頼したとしても、スムーズな相談が難しいでしょう。距離や移動時間などの問題で弁護活動に支障をきたせば逮捕された本人の今後に影響がでてしまいます。
その点、全国にオフィスがある法律事務所であれば、どこで逮捕されても連携して対応してもらうことができます。さらに交通費や出張費などの費用が掛かりません。 -
(2)スピーディーに対応してくれる
刑事事件は勾留前の72時間に適切な弁護活動を行うことによって明暗が分かれることがあります。時間との勝負になりますので、スピーディーな対応が鍵を握ります。
逮捕は夜間や週末などいつなされるかわかりません。可能な限り当日に電話対応や接見をしてくれる弁護士がよいでしょう。 -
(3)刑事事件の解決実績が豊富
必ずしもすべての弁護士が刑事事件に詳しいわけではありません。刑事事件に対応した実績が豊富な弁護士・法律事務所を選ぶことをおすすめします。知り合いの弁護士に頼むほうが安心という考え方もありますが、その弁護士が刑事事件に詳しくなければ希望の結果にならない可能性がある点は知っておきましょう。
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(4)明朗会計
少しでも本人のために力を尽くしたいと思っても資力には限りがあります。弁護士費用は気になるところでしょう。よく分からず依頼してしまった結果、あまりに高額になりすぎて後に支払いで苦労することになってしまえば、更生が難しくなってしまうでしょう。
この点、何にいくらかかるのかが明確にされている事務所がやはり安心です。ベリーベスト法律事務所では、費用の詳細をホームページ上で公開しています。費用面を不安にお感じの方はご確認ください。
費用
5、弁護士へ相談する前の心構え
最後に、弁護士へ相談する前の準備や見極めるポイントなど、よりスムーズな相談につなげるための心構えについてお伝えします。
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(1)依頼者の事前準備も大切
無料相談も含め、時間は限られています。弁護士に対して効率的に状況を伝えられれば、少しでも早く具体的な弁護活動に移ることができます。
しかし、相談の際には混乱していることもあり、うまく伝えられないというケースは少なくありません。そこで、実際に相談をする前に、メモやノートにある程度まとめておくとよいでしょう。
以下のような情報がわかると、スムーズな対応が行えます。- 本人がどこの留置場で拘束されているのか
- 逮捕から何日目か
- 逮捕された日はどのような状況だったのか
- 本人の職業や依頼者との関係性
- 前科の有無
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(2)信頼できる弁護士かを見極める
弁護士も人間ですから、依頼者との相性もあります。特に本人と相性が合わなければ、本人の希望がうまく伝わらず、希望と異なる結果になってしまうリスクがあります。精神的な支えになることも難しいでしょう。
頼れる弁護士かどうかを見極めるポイントとしては、話をしっかり聞いてくれるか、今後の流れや弁護方針、見通しを丁寧に説明してくれるかといった点も重要になります。
実際に会ってみなければどのような弁護士かわかりません。ぜひ無料相談などを利用して見極めてみてください。
6、まとめ
刑事事件における弁護は、逮捕された本人やご家族の将来を大きく左右する重要な活動です。どのような弁護士を選ぶのかによって結果が変わることは十分にあり得ます。そこで今回は、弁護士の種類や選ぶポイント、スムーズに相談するためにできることなどを紹介しました。
ご家族の逮捕でお困りであれば、ベリーベスト法律事務所 札幌オフィスでご相談ください。不当に重い罪が科されないよう、刑事事件に対応した実績が豊富な弁護士が尽力します。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています