投資詐欺とは? 逮捕された場合どうすればいい? 札幌の弁護士が解説

2019年01月24日
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投資詐欺とは? 逮捕された場合どうすればいい? 札幌の弁護士が解説

投資詐欺は、昔からあらゆる手段で行われています。札幌でも詐欺事件は横行していて、平成30年9月に70代の男性が架空の投資話で現金約600万円をだまし取られたという投資詐欺事件がありました。

会社が業務の一環として出資を募っていたが、実は投資詐欺をしていたなど、知らずに加担している場合もあるかもしれません。そこで今回は、身近でも起こるかもしれない投資詐欺について知っておきましょう。具体的にどのような事件であり、もし家族が事件に巻き込まれ、逮捕された場合はどう対応すればいいのか、解説していきます。

1、投資詐欺とは

詐欺にはさまざまなものがありますが、投資詐欺とはどのような犯罪なのでしょうか? 投資詐欺の傾向や手口など、詳しく見ていきましょう。

  1. (1)投資詐欺の概要

    投資詐欺は、刑法第246条で規定されている「人を欺いて財物を交付させたり、財産上不法の利益を得たりする行為、または他人にこれを得させる行為」にあたる詐欺罪のひとつです。有罪となったときは、10年以下の懲役に処されます。

    人を欺く行為とは、真実とは違ったことを述べることや、真実を告知する義務があるにもかかわらず、告げない場合を指します。その結果、被害者が事実と異なることを事実と信じて、金品などを引き渡した場合、詐欺罪となるのです。

    詐欺罪の法定刑には罰金がありません。10年以下の懲役に処される他、犯罪で得たものは刑法第19条によって没収、もしくは刑法第20条によって追徴されます。さらに、組織的に詐欺を行った場合には、組織犯罪処罰法第3条第1項により、1年以上の有期懲役が処されます。

    また、詐欺が未遂であった場合にも、第250条によって刑罰対象になることが定められています。

  2. (2)投資詐欺事件の傾向

    投資詐欺事件は、年々起訴率が上がっています。そのため、捜査によって有罪の証拠が固まると起訴されることが多いと考えたほうがよいでしょう。初犯であったとしても、被害額が大きい場合や社会的に影響を与える事件であれば、執行猶予もつかない場合も考えられます。

    また、詐欺の場合、個人の認識や主観を立証しなくてはいけないため、取り調べでの対応が非常に重要になってきます。

    投資詐欺の場合、予想外に利益が上がらなかっただけで、だますつもりはなかったという主張ができることから、検察や警察は詐欺行為の意志を確認しようと、取り調べが執拗(しつよう)になる可能性もあるでしょう。

    そのため、依頼者を励ましながら過度な取り調べをけん制する、弁護士による活動は逮捕されてしまったあなたの家族にとって心強いものとなるはずです。

  3. (3)投資詐欺の主な手口

    投資詐欺にはさまざまな手口があります。たとえば、未公開株の売りつけなどが、代表的な投資詐欺といえるでしょう。実在する有名企業名を出しながら、実在しない株や、価値の低い株を「必ずもうかる未公開株がある」として売りつけたりする手口です。

    また、実体のない事業への投資を持ち掛ける詐欺などもあり、最初はもうけ分を支払うなどをして、配当の支払い実績を作ったりするため、だまされてしまうことも多いのです。そのほかには、株やFXなどの高額なセミナーへ勧誘する手口や、競馬などの予想販売詐欺などもあります。最近では仮想通貨やバイナリーオプションに関連する詐欺も増加傾向にあり、投資詐欺はトレンドに便乗した詐欺が増加するものなのです。

    さまざまな投資詐欺の手口がありますが、どれも共通していえることは「楽にもうかる」「誰でももうかる」という内容であることです。元本保証という言葉を目にすると安心してしまう心理をついた犯行ですが、もちろん、投資に絶対的な保障はないことはご存じのとおりです。犯行内容によっては悪質と受け取られる可能性が高く、前述のとおり執行猶予もつかない可能性があるでしょう。

2、投資詐欺で逮捕後に家族が取るべき行動

もし娘や息子、夫など家族が投資詐欺で逮捕されてしまった場合、どのような行動を取ればよいのでしょうか? 動揺してしまいますし、何をすればいいのかわからないと慌ててしまうはずです。しかし、刑事事件では、とにかくスピードが大事です。

逮捕されたことがわかったら、少しでも早く弁護士に相談することをおすすめします。

前述したように、詐欺罪では厳罰化していることもあり、不起訴になることはほとんどありません。不起訴にならないということは、刑罰が処され、前科がつく可能性が99%以上となります。前科をつけないようにするためには、まずは起訴を回避する必要があり、そのためにも、示談で解決するなどの手段を取る必要があるのです。

しかし、逮捕されると弁護士以外の接見は制限されます。つまり、家族であっても逮捕された本人と直接会って話をすることはできる可能性は限りなく低いということです。本人から被害者の情報を得て示談交渉することはもちろん、逮捕された本人の現状況を知ることもできません。

しかし、弁護士であれば自由な接見が行えます。逮捕されてからは少しでも早く弁護士へ相談して、今後の対策や方針を考えていくようにしましょう。

3、投資詐欺事件を弁護士に依頼するメリット

投資詐欺事件を起こしてしまった家族のサポートを、弁護士に依頼した場合、どのような対応ができるのかご存じでしょうか。不起訴になることはほとんどないといわれている投資詐欺事件ですが、適切な対応をすることで、不起訴となる可能性も出てきますし、刑罰を減らせる可能性もあります。

  1. (1)逮捕後の接見

    前述のとおり、逮捕されてから勾留が決まるまでの72時間は、家族との面会は認められません。土日も面会できないため、場合によっては5日間面会することができない場合もあるのです。

    しかし、弁護士は逮捕直後から接見することができます。弁護士に依頼することで家族の状況を知り、その後どのような対応をすればよいのかなどのアドバイスを受けることができます。逮捕されて不安に過ごしているのは家族も本人も同じなので、少しでも接見によって安心できるようにサポートします。

  2. (2)捜査機関への対応

    詐欺事件の取り調べは、詐欺行為の事実関係の確認のため、厳しいものになる傾向があります。被疑者は拘束されている中で取り調べを受けるので、不安定な精神状態になって、真実とは違った内容を供述してしまう可能性もあるでしょう。

    弁護士に依頼すれば、被疑者の精神面をサポートしながら捜査機関が公平に捜査するように働きかけることができます。弁護士は専門的な知識を基に、捜査機関の問題点を指摘し、法律にのっとった正しい手続きや事件処理がされるように、被疑者をサポートします。

  3. (3)示談交渉

    「示談」とは、事件の当事者が交渉して、賠償金を被害者に支払い和解をすることです。示談が成立することで起訴が取り下げられることもありますし、起訴になった場合でも減刑される可能性があるため、示談は非常に重要です。

    しかし、示談交渉は勾留されている間は、当然のことながら、本人が自分ではできません。また、家族が代理で行う場合でも、証人威迫や証拠隠滅と受け取られないように気をつける必要があり、被害者感情のことを考えると、成立させることは大変難しいものです。

    そこで、第三者である弁護士が間に立てば、適正な金額で、示談を成立させられる可能性が高まります。

  4. (4)裁判時の弁護

    原則、起訴され、刑事裁判となることが決まった時点で弁護士がついていないときは、国選弁護士をつけてもらうことができます。しかし、逮捕直後から弁護士を選任しておけば、早期の段階から事件の全容を把握できることから、状況に適した弁護活動が可能となります。投資詐欺事件で家族が逮捕されたときは、早期に弁護士に依頼することをおすすめします。

4、まとめ

投資詐欺は昔から現在でも減ることのない犯罪であり、逮捕されると刑罰を逃れることは難しい犯罪でもあります。

家族が投資詐欺での逮捕された、投資詐欺にかかわっていることがわかったなど、緊急事態に陥ったときは、まずはベリーベスト法律事務所・札幌オフィスで相談してください。投資詐欺をはじめとする刑事事件の対応実績が豊富な弁護士が、示談交渉から裁判まで、サポートいたします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています