不倫で慰謝料を請求!納得できる金額を勝ち取るには?

2018年05月28日
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不倫で慰謝料を請求!納得できる金額を勝ち取るには?

相手の不倫が原因で離婚する場合には、受けた精神的苦痛に対して慰謝料を請求することができます。精神的苦痛が大きいほど慰謝料の額は大きくなりますし、不倫期間や結婚期間が長ければ長いほど精神的苦痛は大きいと判断されます。しかし、何も知らないままで離婚交渉を進めたのでは、安い慰謝料額を提示されても妥当かどうかを判断するのは難しいでしょう。納得できる慰謝料をもらってスムーズに離婚するためには、押さえておくべきポイントがあります。今回は離婚交渉を有利に進めるための手順やはずせないポイントについてまとめてみました。

1、離婚する際に決めておきたい慰謝料や親権のこと

離婚する際に決めておきたい慰謝料や親権のこと

離婚する際には子供の親権や養育費、財産分与などについて離婚前に決めておくことが大切です。何も決めずに、ただ離婚したのでは後でトラブルの原因にもなりかねません。離婚後の新しい生活を安心なものにするためにも、自分の希望条件を明確にしたうえで、きちんと話し合っておきましょう。

  1. (1)子供の将来のために決めておくこと

    未成年の子供がいる場合には、「親権者」を決めなければ離婚することができません。そのため、夫婦のどちらが子供を引き取って養育するかを話し合う必要があります。また、親権者とならなかった親の「面会交流権」や負担する「養育費」についても話し合って決めておきましょう。話し合う際には養育環境や教育、経済的な面など、子供の将来を一番に考えることが大切です。

  2. (2)夫婦で築いた財産の分け方

    不動産や預貯金など結婚してから築いた財産は夫婦の共有財産です。離婚する際には、この共有財産の分け方についても決めておくことが大切です。このことを「財産分与」といいます。共有財産に対しては、夫・妻ともに原則として2分の1ずつの権利を持ちます。これは妻が専業主婦で収入がなかった場合でも変わりません。妻のサポートがあったからこそ、夫が仕事に専念して稼ぐことができたとみなされるためです。また、離婚後であっても財産分与を請求することは可能ですが、財産分与請求権は離婚から2年で時効となりますので注意が必要です。

  3. (3)夫婦関係が破綻した責任を取ってもらう

    浮気など配偶者の不貞行為が離婚の原因である場合には、「慰謝料」を請求することができます。慰謝料とは夫婦関係が破綻する原因を作った側が、相手に与えた精神的苦痛に対して支払う損害賠償金のことです。ただし、慰謝料請求する場合には、それを証明するための証拠が必要です。証拠が用意できないと、たとえ不貞行為があったとしても慰謝料の請求は難しくなります。そのため、離婚前に不貞行為の証拠集めをしておくことが重要です。お一人では有効な証拠集めができないケースも多いので、慰謝料を請求したいと考えるなら、離婚の実績が豊富な弁護士に相談するのがよいでしょう。

2、協議離婚で慰謝料をもうらための流れ

協議離婚で慰謝料をもうらための流れ

協議離婚とは、夫婦で離婚の話し合いをして両者同意の上で離婚届けを提出する離婚方法です。日本では協議離婚が離婚件数全体の約90%を占めています。

協議離婚では子どもの親権さえ決めればその他の条件を決めなくても夫婦の話し合いだけで離婚できるので、養育費や財産分与、慰謝料など大事なことを決めずに離婚してしまうこともあります。確かに親権以外は離婚後に決めることも法律的には可能ですが、現実的には別れた夫婦が話し合うというのは難しいでしょう。そのため、後悔しない離婚にするためには次の流れに沿って進めることが大切です。

  1. (1)離婚の条件をリストアップする

    離婚後の生活のことを考えて、親権や養育費、財産分与、慰謝料、面会交流権などの条件を検討してリストアップします。財産分与や慰謝料、養育費の金額の決め方など、お金が絡む場合は事前に弁護士に相談するのがよいでしょう。

  2. (2)離婚の条件について話し合う

    リストアップした条件をもとに配偶者と話し合います。感情的になると、まとまる話もまとまらなくなりますので、冷静に話し合いましょう。特にお金が絡む問題は、うやむやにならないように明確に決めることが大切です。

  3. (3)決まった条件を書面に残す

    満足できる条件で協議離婚できたとしても、その条件を書面として残さなければ、後で言った言わないのトラブルになりかねません。そのため、話し合いで決まった内容を「離婚協議書」として、書面に残しておく必要があります。たとえば養育費が支払われないなどのトラブルが発生した場合には、離婚協議書を証拠として裁判を起こすことができます。また、離婚協議書を公証人役場で「公正証書」にしておけば、裁判を起こさずに給与や預貯金の差し押さえ等の強制執行を申し立てることが可能です。離婚の条件を必ず守ってもらうためにも、離婚協議書を公正証書にしておくのが望ましいといえます。

3、不倫が原因で調停離婚した場合の慰謝料請求

不倫が原因で調停離婚した場合の慰謝料請求

離婚の話し合いをしても、どちらか一方が離婚に同意しなかった場合には離婚調停を申し立てて「調停離婚」を目指す必要があります。調停離婚は家庭裁判所に離婚の調停を申し立て、調停で双方が合意すると成立する離婚です。家庭裁判所の調停委員が中立的な立場で双方の主張を聞き、話し合いを仲介しながら夫婦間の問題解決を図ります。調停離婚は離婚件数全体の約9%で、期間は半年~1年以上かかることもあります

  1. (1)調停離婚のメリット

    夫婦だけで離婚の話し合いをすると、どうしても感情的になりがちで条件的にもまとまりにくくなります。特に不倫が原因で離婚するような場合は、離婚すること自体には合意できても慰謝料の金額でもめるケースが多いです。このようなケースでも調停離婚であれば、間に第三者である調停委員が入るので、冷静に話し合うことができ、早期解決につながりやすいです。

    また、調停が成立すると合意した条件を記載した調停証書が作成されます。調停調書には強制執行力があるので、もし養育費や慰謝料の未払いがあっても、調停証書をもとに相手の貯金や給料を差し押さえできるのも調停離婚の大きなメリットです。

  2. (2)慰謝料を請求する際のポイント

    相手に対して不倫の慰謝料を請求するためには、不貞行為を行った証拠が必要になります。

    不倫の証拠としては、旦那と女性がホテルに入っていく写真、性的関係にあることが明白な浮気相手とのメール、不倫をしたことを認めた文書などが挙げられます。また、DV・モラハラの場合には、DVを受けた際の診断書、DV・モラハラされた日時や場所などを詳細に記録した日記などが証拠となります。

  3. (3)離婚後でも請求できる慰謝料

    不倫などに対する慰謝料請求の調停申し立ては離婚後でも行うことができます。その場合、家庭裁判所に慰謝料請求調停の申し立てをし、調停で慰謝料の金額や支払い方法について話し合いをして解決を図ります。調停が成立しない場合、地方裁判所で慰謝料請求訴訟を起こす必要があります。ただし、離婚後の慰謝料請求には3年の時効がありますので、離婚後3年以内に調停や訴訟を申し立てなければなりません。

4、裁判離婚で不倫の慰謝料を請求する!

裁判離婚で不倫の慰謝料を請求する!

離婚調停でも双方が合意に至らなかった場合は、家庭裁判所に離婚訴訟を起こして「裁判離婚」に進むことになります。離婚訴訟を起こせるのは、調停離婚での話し合いがまとまらなかった場合に限られ、いきなり離婚訴訟を起こすことはできません。裁判離婚は離婚件数全体の約1%で、弁護士に依頼するケースがほとんどです。

  1. (1)裁判離婚には法律で定められた理由が必要

    裁判で離婚が認められるためには民法で定められた離婚原因が必要になります。法定離婚事由と呼ばれるもので「配偶者の不貞行為」「悪意の遺棄」「3年以上生死不明」などがこれにあたります。相手が不倫した場合には、配偶者の不貞行為にあたりますので、裁判離婚を起こすことができますし、裁判のなかで慰謝料を請求することが可能です。

  2. (2)裁判離婚のメリットとデメリット

    裁判離婚のメリットは相手が離婚に合意しなくても裁判所が離婚を認めてくれる可能性があることです。裁判で離婚の判決が下れば、判決謄本と判決確定証明書、離婚届を市区町村の役場に提出することで裁判離婚が成立します。長年の夫婦のゴタゴタに終止符を打って、新しい生活をスタートさせることができます。

    また、裁判離婚の判決には強制力があるので、慰謝料や養育費の支払いが滞った場合でも強制執行などによって回収しやすくなるというメリットもあります。

    デメリットとしては時間がかかることが挙げられるでしょう。早くて半年程度、長くなると3年以上かかることもあります。また。裁判が公開で行われるのもデメリットといえるでしょう。傍聴人がいれば、プライベートな夫婦のゴタゴタを知られてしまう可能性にもなります。

  3. (3)弁護士に依頼するメリット

    訴訟は非常に専門的で複雑な手続きなので、素人の方が一人で進めていくのは難しいです。ほとんどが弁護士に依頼することになるでしょう。弁護士に依頼すれば弁護士が依頼者の代わりに交渉や書類作成をしますので、論点を絞った主張が可能となります。慰謝料や財産分与などについてもサポートを受けることができるため、相場以上の金額を獲得できる可能性が高くなります。

まとめ

まとめ

夫や妻の不倫が原因で離婚を思い立ったら、感情的にならずに冷静に考えることが大切です。離婚後の生活や子供のことを一番に考えて、親権や養育費、慰謝料、財産分与などについて自分の希望条件を書き出してみましょう。慰謝料をいくら請求すればよいかわからない、交渉するのにも自信がないような場合は、相手と話し合う前に弁護士に相談するのがおすすめです。法律相談だけであれば、無料でできるケースもありますし、法律的な裏付けがあれば離婚交渉も有利に進めることができるでしょう。弁護士に相談というとハードルが高いと感じる人もいるかもしれませんが、無料相談を受け付けている事務所もあり、慰謝料や養育費など受け取るお金を増やすための提案をしてもらえることも多いです。できるだけ早いタイミングで弁護士に相談して、離婚交渉をスムーズに進めましょう。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています