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専業主婦が親権を獲得するためのポイントは? 覚えておきたい判断基準を解説

2019年09月10日
  • 離婚
  • 専業主婦
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専業主婦が親権を獲得するためのポイントは? 覚えておきたい判断基準を解説

専業主婦として生活していた方が離婚を考えるとき、何よりも気になるのは子どもの親権ではないでしょうか。

離婚後は札幌市内で就業しようと考えているとしても、現時点で収入がない状態が親権を獲得できるのか、親権争いに不利になるのではないかなど、さまざまな不安が頭をよぎるかもしれません。一方で、日本では多くの場合に母親が親権者となるのだから、当然自分が親権を獲得できると思っている方もいらっしゃるでしょう。

今回は、離婚を考える専業主婦の方に向けて、親権の判断基準について、札幌オフィスの弁護士が解説します。ご自身が親権を獲得するためのポイントを押さえておきましょう。



1、親権とは

親権とは、「身上監護権」と「財産管理権」の2つから成る、父母に与えられた権利・義務です。

「身上監護権(しんじょうかんごけん)」とは、子どもを監護・教育する権利を指します。居住地などを定めたり、教育を行ったり、一定の身分行為を代行することができるなど、子どもの利益のために行動できます。「監護権」と呼ばれることもあります。

他方、「財産管理権(ざいさんかんりけん)」は、子どもの財産を管理し、財産に関する法律行為を代わりに行う権利です。

一般的には「監護権=親権」とイメージされる方が多いとおり、子どもと一緒に暮らして世話や教育をしたい場合には、少なくとも監護権を獲得する必要があります。しかし、「身上監護権」と「財産管理権」は例外的に切り離すことも可能です。それでも、それぞれの権利は同一の親に帰属することが好ましいとされており、両者がわけられるのは特段の事情があるケースに限られます。

2、専業主婦が親権を獲得できる可能性は?

厚生労働省がひとり親世帯に実施した調査によれば、母子家庭になる前の母親の就業状況は約23%の人が「不就業」でした。共働き世帯が主流の時代背景がある中で、これは決して少なくない割合です。つまり、専業主婦でも親権を獲得できる可能性が十分にあることになります。

日本において親権者で争いがあったとき、裁判では「子どもの利益」を最優先に考えて判断します。中でも重視されるものは、主に以下の要素です。

●「継続性の原則」
子どもの育成環境が現状で問題なければ、その環境を変えるべきではないという考え

●「兄弟不分離」
兄弟姉妹がいる場合は、できるだけ同じ環境下で育ったほうがよいという考え

●「母性の優先」
特に子どもが乳幼児の場合、「何よりも子どもを優先に行動できる」という、一般的に「母性がある」とされる行動をとれるほうが育てたほうがよいという考え

●「子どもの意志」
特に10歳以上の子どもの場合、子ども本人の意見を重視すべきという考え

裁判所では、多くのケースで母親に親権を与えられているという現状があります。もっとも、ただ「母親であるから」という理由だけで親権者になれるわけではありません。日本の家庭環境において、専業主婦だったからこそ、「子育てを主に担っていた」「これまで、誰よりも子どものそばに居た」「子どものことを最優先で行動できる」という状況がそろっているためです。万が一、あなたが以下の「4、親権が認められない可能性が高いケース」で解説する事項に該当するのであれば、あなたが親権をとれない可能性は十分にあるでしょう。

3、専業主婦が親権者となるためのポイント

前述のとおり、裁判所が親権を決定するにあたり何よりも重視するのは「子どもの利益(福祉)」、つまり幸せです。親権をとるためにもどのような準備をすべきか考える必要があるでしょう。

  1. (1)子どもに対する愛情、監護状況

    親が子どもに対し、どの程度の愛情を注いでいたのかは重要な要素となります。しかし、愛情を数値化することもできません。そこで判断材料となるのが客観的な監護状況です。具体的には、どれだけ子どもの育児に時間を割き、献身的に関わってきたのかということです。

    父母が平等に時間を割いて子育てに参加していたようなケースであれば、子どもを連れていったん別居されることも、実質的な監護者であると認められやすくなる方法です。別居期間中には婚姻費用の請求ができるため、専業主婦で収入がなくても生活できるでしょう。

    ただし、父親と子どもの関係が良好な状況下において、妻が夫に黙って子どもを連れ去り、夫といっさいの連絡を遮断するような強硬手段は避けてください。違法性はもとより、裁判所に親権者としての不適格性を指摘されかねません。

  2. (2)経済的な余裕

    子どもを養うには学費や生活費が必要ですから、経済力も重要な要素です。専業主婦の場合、特に不安な方も多いでしょうが、夫から受け取る養育費や親族からの支援、自治体からの助成金なども含めて判断されます。

    札幌市でも、子どもに関する手当や医療、奨学金や学費の補助など、さまざまな助成が行われています。そのため、単に現在無職ということをもって親権獲得に不利に働くわけではありません。

    もっとも、今後は自分自身が何とか職を見つけて子どものために働くという意思は、当然に必要になるでしょう。当面の生活費や住居の確保もまた必須です。夫から確実に養育費を受け取れるように、調停で取り決めをする、公正証書で残しておくといった対策も必要です。

  3. (3)監護補助者の有無、そのほか

    監護補助者の典型例は子どもの祖父母です。専業主婦の場合には実家のサポートを受けながら仕事を探していける状況であれば、経済的な事情もあわせて補塡(ほてん)されます。

    ただし、あくまでも祖父母らは補助者であり、監護環境においてメインではない点に留意しましょう。たとえば、子どもの面倒をすべて祖父母に任せ、母親が仕事でほとんど監護できないような状態が見込まれると、そもそも親権獲得に不利となるおそれがあります。

    ほかにも、監護への意欲、居住・教育環境、親権者が肉体的・精神的に健康であることなど、さまざまな事情を鑑みて総合的に判断されます。専業主婦だから親権をとれない、収入がないから夫にとられてしまうといった区別はありません。

  4. (4)子どもの事情も考慮される

    子ども側の事情も重視されます。幼い子どもを監護する時間が長いのは主に母親になることが多いため、子どもの年齢が低いほど母親が親権を獲得しやすくなります。

    子どもが小学校高学年程度になってくると一定の判断能力があることから、子ども自身の希望も考慮されやすくなります。15歳以上であれば子どもの意向を聞くことが法律上の義務となり、原則として子どもの希望が優先されます。

    そのほか、兄弟姉妹との結びつき、環境への適応性も判断材料となります。

4、親権が認められない可能性が高いケース

日本の親権者は圧倒的に母親が多いとはいえ、母親でも親権が認められないケースがあります。具体的には、母親側の事情として次のような要素があると、監護者として不適格だと判断されるおそれが高いでしょう。

  • 育児放棄をしていた
  • 子どもを虐待していた
  • 浪費やギャンブル癖がある、それによる借金がある
  • 犯罪の常習性がある
  • 不倫に夢中で子どもを省みなかった
  • 子どもを残して家を出ていった
  • 仕事中に面倒をみてくれる人がいない、保育園に預けられない事情がある

5、専業主婦が親権で悩んだときの相談先は?

専業主婦が親権について悩みを抱えているとき、さまざまな相談先が用意されています。専業主婦の場合は相談費用も気になるところでしょう。しかし、たとえば各自治体では、弁護士や心理カウンセラー、相談員の無料相談などを実施しています。法テラスや弁護士会でも弁護士の無料法律相談があります。いずれも予約制となっていますので、「お住まいの地域名 相談内容(親権、養育費など)」で連絡先を検索してみるとよいでしょう。

すでに親権争いが発生している場合や、夫に養育費を確実に払ってもらいたい場合には、法律事務所へ相談することで、早期解決を目指した対応を視野に入れることができます。初回相談無料の法律事務所も多くありますので、話を聞き、力になってくれそうな弁護士なのかを判断してみてはいかがでしょうか。

いずれにしても、親権争いを行う際は、弁護士のサポートを受けたほうがよいでしょう。特に、相手が弁護士を立てている場合はもちろん、調停や裁判になったときは、できるだけ早く弁護士を依頼することをおすすめします。そうでなくても、調停員や裁判官に対し、監護者としての適性を十分に説明しなくてはならないシーンが出てきます。その際、個人だけではうまく伝えられず、思うような結果にならないことがあるためです。

親権を獲得するために今からしておくべきことなどもアドバイスしてもらえます。離婚問題がこじれる前、できるだけ早い段階で相談されたほうがよいでしょう。

6、まとめ

今回は、専業主婦が親権を獲得するためのポイントを紹介しました。親権者の判断にあたり、経済力はひとつの重要な要素ですが、収入のない専業主婦だからといって必ずしも不利に働くわけではありません。

養育費や婚姻費用などを適切に請求し、将来的に子どもを養育できる環境をしっかりと整えていくことが大切です。ただし、親権争いになった際には説得力のある説明が求められます。やはり弁護士を頼ることが賢明な選択肢です。ベリーベスト法律事務所 札幌オフィスの弁護士が力を尽くします。親権や養育費の問題でお悩みであれば、お気軽にご連絡ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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