突然、離婚してはいけない理由とは?離婚に際して弁護士と相談して決めておくべきこと
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妻とは毎日喧嘩が絶えず、夫婦関係は悪化するばかり……。
夫の金遣いの荒さに疲れ果て、結婚生活を続ける自信が無い。
そのような夫婦生活が続けば、「離婚したい!」と思うことも時にはあるはずです。しかし、離婚の準備をせずに、離婚をすることはいろいろなデメリットがあるので、注意が必要です。
離婚してはいけない理由には、どのようなものがあるの?
離婚後の生活や子どもの親権、財産分与などの問題を含めて「離婚してはいけない理由」について、弁護士が解説します。
1、離婚のメリットとデメリットを考えよう
夫婦関係が悪化してしまうと、人はすぐに「離婚しよう」と思ってしまうことがあります。そのようなとき、まずは立ち止まって、離婚のメリットやデメリットを検討することが重要です。
以下で、見ていきましょう。
2、離婚のメリット
離婚のメリットとしては、以下のようなことがあります。
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(1)気分的にスッキリする
嫌な相手と同居しているのは精神的に苦痛なものです。毎日喧嘩が絶えないなら、どうして一緒に暮らしているのか疑問を持つこともあるでしょう。
離婚してしまえば、そんな嫌な相手の顔を見ることもなくなり、喧嘩のストレスもなくなって、気分的に楽になります。 -
(2)再婚できる
配偶者がいる間は、当然好きな相手ができても結婚できませんが、離婚してしまったら独り身になりますので、好きに再婚することができます。
これまでとは違った別の人生を選択することができるのです。 -
(3)お金を自由に使える
サラリーマンなどの場合、妻に給料を握られていて、自分で自由にできるお金がほとんどない、ということもあります。
離婚してしまえば、給料を自分で管理することができるので、好きにお金を使えるようになります。
3、離婚のデメリット
ただ、離婚にはデメリットもあります。
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(1)多額の財産分与や慰謝料が発生するおそれがある
1つは、お金の問題です。
離婚の際には、配偶者に対し「財産分与」をしなければなりません。
財産分与は、多額になる事例も多いので、注意が必要です。
また、相手がどうしても離婚したくないと言っている場合には、「解決金」を支払わないと離婚できないケースもあります。
さらに、自分が不貞していたりDV、モラハラ行為を行っていたりした場合には、妻が多額の慰謝料請求をしてくることもあります。すると、離婚できたはいいものの、裸一貫0からのスタートになってしまうこともありえます。場合によっては、離婚後も分割払いで慰謝料や解決金を支払い続けないといけなくなるので「バラ色の独身生活」というわけにはいきません。 -
(2)親権を取れない可能性
子煩悩な方は、離婚するとき特に注意が必要です。
子どもが小さい場合、離婚の際、女性側(母親)が親権者として認められやすいからです。特に、3歳くらいまでの乳幼児の場合には、ほとんどのケースで母親が親権者とされてしまいます。
それより大きくなっていても、母親が今まで主に監護してきたのであれば、引きつづき母親が親権者となるべきと判断されることも多いです。
親権者になれない場合には、たとえ子どもと一切会わせてもらえなくても、養育費だけは支払わなければなりません。支払いをしないと、給料などを差し押さえられることもあるので、大変なリスクとなります。 -
(3)孤独感
離婚すると、自由を手に入れることはできますが、反面孤独になります。男性の場合、妻も子どももいなくなり、家族を失い1人の生活になることも多いからです。
もちろん、家事をしてくれる人もいません。
このようなことであれば、離婚せずに我慢しておいた方が良かったかな、と思うケースもあるので、離婚する前には慎重に検討する必要があります。
4、不利にならない離婚の方法とは?
不利にならないで離婚をするためには、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか?
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(1)しっかり準備する
事前にしっかりと離婚の下準備をすることです。
「そもそも本当に離婚して良いのか?」ということを、メリットとデメリットを含めて綿密に検討しなければなりません。
その際には、以下のようなことが重要なポイントとなります。 -
(2)どのくらいお金を支払うことになりそうか、計算する
どのような離婚のケースでも問題になりやすいのが、財産分与請求です。
まずは、夫婦共有財産が家にどのくらいあるのか、調べましょう。基本的にその2分の1の金額を、相手に支払う必要があります。
住宅がある場合には、自分が取得したいのか、相手に渡しても良いのか、売却してしまった方がよさそうか、検討する必要があります。住宅ローンの残ローンがある場合には、特に慎重な対応が必要です。どちらも住まないなら任意売却した方が良いでしょう。
また、相手から解決金の支払いを求められたとしたら、どこまで応じることができるのか、または全く支払いをしないのか、考えておく必要があります。
自分が不倫(浮気)などをしていて有責配偶者の場合には、そのことを相手に知られているのか、知られているとしたら、いくらまでなら慰謝料を支払えるのか、腹づもりをしておくべきです。 -
(3)子どもの親権はとれそうか、検討する
子どもの親権をとりたい方は、自分にとれる見込みがあるかどうかを検討しましょう。
子どもの年齢、今までの子どもとの関わり方、現在の子どもとの関係、離婚後の住居や生活環境、離婚後どのようにして子どもの監護を行うのかなどにより、子どもの親権が決定されます。
男性が親権を取得するためには、子どもの年齢は学童期(6歳以上)に入っていることが望ましいです。また、子どもとの関係を濃くするために、学校生活や習い事などに積極的に関わるようにしましょう。離婚後は、なるべく長く子どもと一緒に過ごせる環境を用意することが必要です。自分の母親に同居してもらって、監護補助者となってもらうことも効果的です。 -
(4)養育費はどのくらいかかるのか、試算する
自分が親権者にならない場合には、子どもの養育費を支払う必要があります。
養育費は、基本的に子どもが20歳になるまで支払いをしなければなりません。
金額にも相場があるので、調べて把握しておくことが重要です。 -
(5)証拠を集める
具体的に離婚の話し合いをすすめる前に、さまざまな証拠を手元に集めることが重要です。
たとえば財産分与の資料としては、夫婦名義や子どもの預貯金通帳や生命保険証書、不動産の全部事項証明書、投資信託や株式などの記録が必要です。相手名義の預貯金やへそくりなども財産分与の対象になるので、できる限り探し出しましょう。
子どもの親権をとりたければ、子どもと自分が深い関わりを持っている証拠(写真や連絡帳、ノートや日記など)を集めます。
相手が親権者として不適切なことを示す証拠もあると良いです。たとえば、妻が料理をしないので自分で料理している場合には、作った料理の写真なども撮影しておくと良いでしょう。
別居してしまうと証拠集めが難しくなるので、別居前に証拠を手元に収集しておくことが大切です。
5、弁護士に相談するメリット
暴行傷害事件で逮捕されたら、その後どのような流れになるのでしょうか?
この場合、在宅事件になるケースと身柄事件になるケースがあります。
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(1)離婚の適切なタイミングをはかることができる
1つは、適切な離婚のタイミングをはかれることです。
自己判断で離婚を進めてしまうと、どうしても感情が先に立って離婚を急いでしまいがちです。そうなると、必要な準備もできないまま離婚に突き進んでしまうので、予想外の不利益を受けることがあります。
たとえば、浮気している場合には、妻に浮気がバレて浮気相手にも慰謝料請求されて泥沼のトラブルになってしまうこともありますし、多額の財産分与や解決金を支払わされて、離婚後の生活が非常に苦しくなってしまうこともあります。
弁護士に相談していたら、常に冷静に対処できるので、そのような困難な事態に陥りにくいです。問題が起こってもすぐに対処できるのでトラブルが拡大しにくくなります。 -
(2)有利な条件で離婚できる
離婚をするときには、なるべく「有利な条件」で離婚することが大切です。
たとえば財産分与、養育費、面会交流、解決金、慰謝料など、交渉次第で条件が変わってくることがたくさんあります。
このようなとき、自分で急いた気持ちで離婚交渉を進めると、どうしても適当な条件で手を打ってしまい、後になって「どうしてこんな条件で離婚してしまったのか」と後悔してしまうことになります。
弁護士に相談をしていたら、このような間違った判断をしないので、状況に応じた最適な判断をすることができます。 -
(3)離婚の交渉を任せられる
弁護士に相談していると、相手との離婚交渉を任せることができます。
すると、自分では相手と話合いをしなくて良いので、手間もかかりませんし気分的にも楽です。
相手も、専門家が介入していることでプレッシャーを感じ、無理な主張をしにくくなりますし、お互いが冷静になって話合いができるので、解決に結びつきやすくなります。 -
(4)調停や裁判になっても安心
弁護士が間に入って離婚の交渉をしても、どうしても合意ができないこともあります。
そのようなときには、家庭裁判所で「夫婦関係調整調停(離婚調停)」をしないと離婚ができません。
調停は、男性が1人で申し立てると不利になってしまうことがあります。男性と女性どちらにもある話ですが、妻が「理解のない旦那から一方的に離婚を請求された気の毒な妻」を演じた場合、調停委員が女性側に肩入れする可能性があります。弁護士に調停の代理人を依頼していたら、そのような不利益を受けることがありません。弁護士が依頼者の正当性を説得的に主張するので、調停委員を味方につけやすくなります。
調停が不成立になったときには離婚訴訟によって解決する必要がありますが、弁護士が対応していたら、裁判に移行してもスムーズに対応することができます。
6、望ましい離婚のタイミングとは?
結婚生活がうまくいかなくなってしまったと感じたとき、拙速に離婚を急ぐといろいろな不利益があります。それでは、いつのタイミングで離婚することがもっとも望ましいのでしょうか?重要なのは、以下の3つのポイントです。
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(1)しっかり検討してから
「離婚して良いのか?」しっかり検討することが重要です。
離婚のメリットとデメリットを正しく理解して、メリットの方が大きい(経済的にも精神的にも)と考えられるならば、離婚に向けて進みましょう。
法律上の離婚原因があるかどうかについても事前に検討しておくことが大切です。 -
(2)綿密に準備してから
離婚を有利に進めるため、綿密な準備が必要です。相手をよく観察して行動パターンを分析し、自分に有利なポイントはないか、どのようなときに離婚を切り出すのが良さそうかなど探しましょう。
財産分与の資料集めなども重要です。 -
(3)弁護士と相談してから
離婚問題に強い弁護士に相談をすることも大切です。わからないことは質問して、弁護士による回答とアドバイスを受けましょう。適切なタイミングと適切な方法を聞いて、その通りに進めていけば、間違った判断をせずに済みます。
まとめ
今回は、急いで離婚してはいけない理由について、解説しました。
離婚するときには、さまざまな情報と証拠を集めて状況に応じた行動をとることが大切です。専業主婦の方が離婚する場合、不倫によって離婚する場合など、幸せな離婚を実現するに、離婚したいと思っても事前準備ができているのか知ることが大切です。ベリーベスト法律事務所 札幌オフィスでは、離婚に関するお悩みを初回相談無料で承っております。弁護士が法的なアドバイスをすることも可能ですので、お気軽にご相談ください。
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