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「配偶者の親族との関係が悪い」ことを理由に離婚はできる?

2018年12月06日
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「配偶者の親族との関係が悪い」ことを理由に離婚はできる?

平成28年の都道府県別離婚率をみると、北海道は全国第4位となっています。札幌市においても離婚率が高く、平成になってからは毎年、全国の離婚率を上回っています。
出典:「平成28年 人口動態総覧」(厚生労働省)、「人口動態統計」(札幌市保健所)

離婚した夫婦の数だけ離婚理由があるわけですが、そのひとつとして考えられるのが「妻(または夫)の家族・親族との不仲」です。

実際、家庭裁判所に離婚調停を申し立てる際の原因としても、妻8%・夫15%が、「相手の家族・親族との折り合いの悪さ」を挙げています(平成27年度、司法統計より)。

育った環境や価値観が異なる二人が結婚して夫婦になるのですから、夫婦間だけでも衝突があって当然です。それぞれの家族や親戚となればなおのことでしょう。

今回は、配偶者の家族・親族との問題について、その程度が大きくなり、離婚を考えるほどになった場合の対処法をご案内いたします。

「離婚の前にできること」や「離婚の種類」、「離婚後の親族との付き合い方」などを確認し、できる限り円満に解決する方法を考えていきましょう。

1、妻(夫)の家族・親族との関係性を理由に離婚はできる?

そもそも、配偶者の家族・親族との折り合いの悪さは、離婚理由として認められるのでしょうか?

  1. (1)法律で決められている離婚理由

    夫婦間の話し合いで離婚を決める(協議離婚)のであれば、その理由は問われません。しかし、話し合いが決裂し、その後の調停(いきなり裁判をすることはできません)を経ても話がまとまらない場合には裁判上で離婚を請求することになります。そして、裁判で離婚を求めるには、法律で定められている離婚理由があることが必要になります。

    民法で定められている離婚理由は以下の5つです。

    • 配偶者の不貞行為(不倫)
    • 悪意で遺棄されたとき(正当な理由なく生活費を渡さないなど)
    • 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
    • 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
    • その他、結婚生活の継続が難しい重大な事由があるとき
  2. (2)親族との不仲は離婚理由になる?

    ご案内したように、「妻または夫の親族との不仲」は(裁判上)直接の離婚理由にはなりません。

    ただし過去には、それが「婚姻生活の継続が難しい重大な事由」にあたるとして離婚を認めた事例もあります。たとえば、妻と夫の両親との関係が険悪なものになっていたにもかかわらず、夫が何の努力もしなかった(自身の両親と妻の間に立ち仲を取り持つなど)というケースにおいて、妻からの離婚請求を認めています(名古屋地裁岡崎支部:判決昭和43年1月29日)。

    他方で、同居している夫の親族との不仲を理由に妻が離婚を請求したケースでは、親族との別居などで解決できる可能性があるとして離婚請求を認めていません(東京高裁:判決昭和60年12月24日)。

2、家に居場所がない夫、離婚する前にできることは?

妻とともに妻の実家で暮らしている夫を例にとってご紹介します。この場合、妻の両親との関係が険悪であれば、家庭に居場所がないという状態になりかねません。それでも、妻が夫の味方であれば良いのですが、妻が自分の親の肩を持つようなケースではどうしたら良いのでしょう?

この場合、離婚以外の解決方法としては、話し合いや別居が挙げられます。

しかし、話し合おうとすることで、さらに関係が悪化する可能性も考えられます。話し合いの場をもつ場合には、感情的にならないよう、また、不満がたまっていることと思いますが、ご自分の立場を悪くしないためにも思いやりの気持ちを忘れないようにしましょう。

可能であれば、妻の両親との別居を検討するのもひとつの方法です。ご自分だけ別居する、あるいは子どもを連れて家を出るなどは、同居義務(民法752条)違反として問題になることがあるので注意しましょう。ご自身だけ別居することを考えている場合、勝手に家を出ることなく、妻の了承を得ておきましょう。

経済面に不安がある場合や、別居が受け入れられるか心配な場合などには、あらかじめ弁護士に相談しておくことをおすすめします。

3、離婚の種類

妻または夫が離婚しようと決心しても、相手が納得しないこともあります。夫婦で離婚の意思が一致した場合には「協議離婚」、そうでない場合には「離婚調停」「離婚裁判」となります。

  1. (1)協議離婚とは

    夫婦間の協議(話し合い)で離婚するのが協議離婚です。自分も相手(妻または夫)も納得していれば、役所に離婚届を提出するだけで離婚が成立します。日本の夫婦の離婚の約90%がこの協議離婚です。

    協議離婚の場合には、夫婦で話し合いをして離婚にあたっての内容を決めます。具体的には以下のようなものです。これらは他の離婚方法であっても、可能な限りは夫婦の意思を尊重し決定します。

    • 婚姻費用……婚姻中に支払われるはずだった費用(別居期間の生活費を請求できる)
    • 財産分与……婚姻生活で築いた夫婦共有の財産をその貢献度によって分ける
    • 年金分割……婚姻期間中に拠出した年金を不公平がないように分ける
    • 慰謝料……受けた精神的苦痛に対して支払われる金銭
    • 養育費……子どもを引き取る側に対して、もう一方が支払う金銭(子どもが何歳のときまで支払うかなど、夫婦間で決める)
    • 親権者……未成年者の子どもがいる場合、どちらが子どもを引き取るかを決める 

    口約束だけで済ませることはトラブルの原因となりますので、決めた内容は、「離婚協議書」や「公正証書」として書面に残すことをおすすめします。離婚協議書の作成は弁護士に依頼することができます。また、協議離婚であっても、できるだけ有利な条件で離婚できるよう、あらかじめ弁護士に相談しておくのが望ましいでしょう。

  2. (2)離婚調停とは

    夫婦間の話し合いでは離婚に至らなかったとき(どちらか一方が離婚を拒んだ場合)には、離婚をあきらめるか、離婚調停をすることになります。この場合、家庭裁判所に調停を申し立て、離婚を請求します。請求の理由については、法律で定められたものでなくてもかまいません。

    調停委員を交えての話し合いとなりますが、自分の伝えたいことがうまく伝えられないと、調停を有利に進めることが難しくなります。調停が始まる前に弁護士に依頼し、スムーズかつ有利に調停を進めましょう。

  3. (3)離婚裁判とは

    調停を経ても離婚が成立しないときには、(離婚しないという選択もありますが)裁判となります。離婚調停においては、双方が納得しない限り離婚が成立しませんが、裁判では離婚の決定は裁判官が行います(ただし、実際は判決前に和解勧告に応じ離婚することが多いのが特徴です)。裁判で離婚を請求する場合には、法律で定められた離婚原因が必要となります。

    夫婦が「原告」と「被告」の立場で争うことになり、精神的にも経済的にも、相当な負担がともなうのが離婚裁判です。もし裁判離婚を利用する際には、弁護士に相談し、少しでも負担を軽くしてください。

4、親族との不仲を理由に慰謝料請求できる?

慰謝料とは、受けた精神的苦痛に対して支払われる金銭をいいます。配偶者の親族との不仲を理由として直ちに慰謝料を請求するのは難しいといえるでしょう。

ただし過去には、親族との不仲を知りつつ一方配偶者が関係修復に協力しなかったとして、慰謝料を認めている事例もあります。このケースでは、妻を罵倒する自身の母を抑制するどころか同調したとして、母と夫に慰謝料200万円の支払い命じています(名古屋地裁一宮支部:判決昭和53年5月26日)。

5、離婚後の親族との付き合い方

法律上は、離婚をすることで相手側の家族・親族との関係は終了します(民法728条)。

  1. (1)離婚した夫婦に子どもがいる場合

    義理家族(法律上は姻族といいます)との関係が終了するといっても、子どもがいる場合には、その後の付き合い方が気になるのではないでしょうか。

    元妻(または元夫)と子どもとの交流に関しては、離婚の際に決めた通りに実行することになりますが、相手側の両親など(子どもにとっての祖父母)との交流はどうなるのでしょう?

    この点に関しても、離婚時にあらかじめルールを決めておくことをおすすめします。その際大切なのが、一旦ご自分の感情とは切り離して、子どもにとって最善の選択をすることです。子どもの成長にプラスになるのか、そうでないのかを第一に考えましょう。

  2. (2)離婚相手の親が亡くなったとき、葬儀には参列する?

    離婚した原因や離婚前の関係性にもよるかと思いますが、感謝の気持ちを込めて参列することに問題はないでしょう。もちろん無理に参列する必要はありません。また、離婚した相手に再婚相手がいる場合には遠慮したほうが良いでしょう。

6、まとめ

配偶者に相談しにくい、または相談しても理解してもらえないため、問題が大きくなりがちな「配偶者の家族・親族との関係」。

「離婚も考えているけれど、誰も味方がいない……」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。

ベリーベスト法律事務所札幌オフィスでは、夫婦関係や離婚問題、離婚にかかわる金銭問題に詳しい弁護士が、それぞれのケースに合ったアドバイスや対処法の提案を行っています。

無料相談も行っておりますので、おひとりで抱え込むことなく、実績豊富な弁護士にお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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